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コラム 人権・福祉

2010年09月17日

世界子供服事情/世界の子供たちが着ているもの

 世界の子供たちの服装は興味深い。日本での子供服とは、デザインや生地の繊細さを追求し、おしゃれを楽しむことに重点を置く。ところが世界中の子供たちの服装は、日本とは対極の位置にあった。環境に適し、より良く生きる為の衣服であることが最優先課題としてあげられていた。その土地だからこそ決まった服装をしなければ生きていけない条件が如実に現れており、さらに宗教という存在も大きな影響力を与えていた。

 戦時下にあったイラクやアフガニスタンでは、女の子たちが白い布を頭にかぶり学校に通っていた。イスラム教を踏襲する国において、女性は外出するおりに髪の毛を布で覆わなければならない。肌もできる限り目につかないように長袖服やショールのような布で全身を覆う。小さな女の子であってもその例に漏れず、白い布で起用に頭をおおっていた。

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2010.9-3.jpg 中国南西部チベットでは、赤い袈裟をきた小坊主たちが走り回っている。深紅の袈裟はチベット仏教の宗教服であり、小さな子供から高僧ダライ・ラマにいたるまで同じ色、デザインの衣類を身にまとっていた。 

2010.9-4.jpg 南米コロンビアでは若者たちが軍服を着ていた。反政府組織による内紛が絶えないこの国では、若者たちが兵士として前線に飛び出していく。軍から支給された軍服を着て、検問に立ちパトロールに余念がなかった。

2010.9-5.jpg アフリカ東部のソマリアでは数メートルもの長さのある極彩色の布を何重にも体に巻き付けて仕事に精を出す。砂漠地帯のこの国は、イスラム教国でありながら、女性が褐色の肌を出す衣服をまとっていたことが特徴的であった。

2010.9-6.jpg アフリカ中部コンゴでは内戦の傷跡が色濃く残っており、世界中から送られてきた支援物資の古着が子供たちの手に渡っていた。

 世界中の国々では、歴史と伝統そして支援ある衣服が確実に受け継がれていた。

渡部陽一

渡部陽一

渡部陽一わたなべよういち

戦場カメラマン

1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…

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