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コラム 人権・福祉

2021年12月09日

2021年国際情勢を振り返る

2021年は新型コロナウイルス感染拡大により世界各国が門戸を閉ざす分断の状態が続きました。人や物の流れが滞り、情報管理の力に現実と想像が左右される1年であったと感じています。自由な渡航が制限される中、各地域で伝統慣習と新しい生活様式が衝突する事件が相次ぎました。

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中央・南アジア地域のアフガニスタンでは8月31日、約20年間駐留を続けたアメリカ軍が完全撤退。即座にイスラム主義組織タリバーンが暫定政権を発足させ、国家承認や凍結資産の解除を求める積極外交を展開。日本政府も人道支援窓口をタリバーン側と繋げました。反面、国内では女性や子どもたちへの人権抑圧が確認され、旧政権の警察官や治安部隊関係者が殺害されている情報が発信されています。

東欧地域のベラルーシでは30年以上の強権体制を強いるルカシェンコ大統領がロシアの後ろ盾で欧州諸国と衝突。大統領選挙では国内の民主派を武力で制圧、関係者を逮捕し自らの続投を強行。中東諸国からの難民を隣国ポーランド国境に追いやり欧州諸国による制裁発議への報復行為を繰り返しました。難民外交という人道危機を利用する姿勢に批判が殺到するも大統領職に留まっています。隣国ウクライナでもロシア軍約10万人の部隊がウクライナ東部国境地域に派遣され、黒海に展開したイギリス・アメリカ艦隊と軍事対峙しました。

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北東アフリカのスーダンでは約30年間の強権バシール大統領が失脚。その後、文民と軍部交互の政権運営を経て民政移管へのシナリオを構築するも軍部によるクーデターが勃発し文民側の指導者が軟禁下におかれてしまいました。中東のシリアでは2011年3月から続く内戦が10年以上続いています。アサド大統領政権が国土のほぼ全域を管理下に置きましたが、北西部イドリブ県では依然反政府体制派との局地的な衝突が続いています。

東南アジアのミャンマーでは2月1日ミャンマー国軍による軍事クーデターが発生。軍政に抗議する市民1300人以上が犠牲となり、民主派の指導者アウンサンスーチー氏が拘束される事態に陥りました。香港でも中国中央政府主導の国家安全維持法により民主派指導者が多数逮捕され、反政府抗議デモは壊滅状態となっています。2021年の国際情勢の特徴は地域ごとに権力の暴走が際立ちました。分断がより鮮明化し、歴史が逆行したような強権体制が再浮上しています。来年も列強の国家衝突が加速することは不可避と見ています。

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渡部陽一

渡部陽一

渡部陽一わたなべよういち

戦場カメラマン

1972年9月1日、静岡県富士市生まれ。静岡県立富士高等学校 明治学院大学法学部卒業。戦争の悲劇とそこで生活する民の生きた声を体験し、世界の人々に伝えるジャーナリスト。 世界情勢の流れのその瞬間に現場…

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