2019年07月16日

第2次アラブの春・アフリカ北東部の民主化運動

 2010年の終わりから2011年にかけて吹き荒れたアラブの民主化運動・通称『アラブの春』。中東を中心に強権体制を崩壊させた民主化のうねりは北アフリアのチュンジアをきっかけにエジプトやリビア、シリアに飛び火。アラブ諸国の特徴である神格化された独裁者による強権体制を崩壊させた歴史的転換期となりました。このアラブの春から約8年。民主化運動の流れは中東から再びアフリカ大陸に拡散。特に北アフリカにあるアルジェリア、北東アフリカのスーダン、エチオピアで第2次アラブの春と言える政変が続いています。

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 北アフリカにあるアルジェリアでは大統領再選を目指した長期政権ブーテフリカ大統領に国民が反発。高齢で実務作業が不可能な状態でありながら大統領の身内や側近が利権を独占。国民が大統領職続投に反発しデモが急拡大。次期大統領選不出馬を宣言させました。

 アフリカ北東部のスーダンでは、約30年間事実上の独裁体制を敷いたバシール大統領が軍事クーデターによって失脚。その後の政権運営を担う暫定軍事評議会による軍部主導の権限集中に批判が高まり、民政移管を求めるさらなる反軍政デモが拡散。新政権総樹立の総選挙まで臨時国民評議会の設置を双方が受諾。依然動乱のうねりが続いています。

 同じく北東部のエチオピアでは一部の軍人将校が反政府クーデター未遂を引き起こし、国軍指揮官が殺害される事件に発展。報復の連鎖が絡まる政情不安の予兆が高まっています。

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 民政移管を求める国民の現状は、貧困や差別、不平等、抑圧された生活への怒りが重なったことが土台にあります。宗教観や多民族国家が抱える独自の部族制など各々の歴史や慣習が異なるも、自由・安定を求める国民の声こそが民主化運動を支えてきたといえます。

 中東でのアラブの春は、強権体制崩壊後の利権争いがさらなる抑圧を生んでいると批判の声が各国であがりました。軍事クーデターによる一極集中や宗教指導者による原理主義思想への回帰など、恐怖政治によって押さえ込まれてきた組織が牙をむき、群雄割拠の混乱状態に戻っていく特徴があります。中東はもちろん、第2次アラブの春の拠点となる北東アフリカでの自由に対する責務・監視体制が求められています。

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