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2011年05月10日

自分の本当の姿・力量を知って初めて、地に足の着いた仕事ができるようになる

長年、会社組織の中で上司や部下に気を使い、組織の体制の中で辛抱・我慢を重ねてきたビジネスパーソンの中には、「将来は、現在の会社を辞め、独立・起業して、将来は自分独自のビジネスで大成功を収めたい!」という願望を持つ人がいるでしょう。

10年、あるいは、20年もの間、ずっと同じ会社で働き、その間、”自分の色”を出すことなく会社の規則・慣習に従いながら働いてきたビジネスパーソンにとって、「会社を辞め、自分で会社を設立し、誰にも拘束されることなく自由にビジネスを行う」というシナリオは、言うなれば、自身の頭の中で抱く”ビジネスの理想郷”であるに違いありません。

本来、「夢を持つ」ということは”善”です。しかし、実際、長い年月において、会社組織に自分の身を預け、会社の保証の下でビジネスライフを送ってきた人にとって、会社から与えられる保証をすべて”無”の状態とし、自分の力で独立・起業するという行為は、まさに、「自ら、大きなリスクを抱え込む」という行為そのものです。

例えば、ある人が、独立・起業。その後、いよいよ営業を開始。顧客に対して、自分の名刺、即ち、まだ誰も知らない会社名(世の中に認知されていない会社名)が記された名刺を出したとき、その本人は初めて、「自分自身の本当の姿」を知ることになります。

その本人は、「今までは会社の名刺を出せば通用していたのに、自分でつくった会社の名刺は通用しない。実務経験は十分あるのに、一体どうして世の中の人々は自分を認めてくれないのだろう」と一気に自信をなくし、「今までの自分は、会社があって初めて成り立っていたんだ」という”厳しい現実”(深い意味では、”当たり前の事実”)に直面することになります(このことは、頭の中で”理屈”としてわかっても、実際に会社を辞めてこのような状況に直面しない限りわかりにくいことでしょう)。

10年、20年、あるいは、それ以上の長い期間にわたって同じ会社に勤務し、同じ会社の名刺を使っていると、大抵の場合、「自分の本当の姿・力量」について”盲目”となっていきます。人は、盲目となっているその状態のとき、”善意の識者”からどのように適切なアドバイスを受けようとも、大抵の場合、”謙虚な姿勢”でそのことを捉え、積極的に「本当の自分の姿」について考えようとすることはありません。

言うまでもなく、この厳しい経済社会で生きていくためには、通常、人は、何らかの組織に属し、その組織で働かなければなりません。思うに、人が、「組織で働く」という行為を大前提として考えるべきことは、「自分は、組織人である前に、”一個の個人”としていかなる資質・能力・力量を備えているか」という問題。この問題は、一見、やさしい問題のようにも感じます。しかし、実際、このことを、「グローバルな視点から客観的に捉え、公平無私な立ち位置から自分を見つめる」ということができる人は、そう多くはないでしょう。

本稿において提言したいことは、第一に、「本当の自分の姿・力量を知ること」です。人はそれを知って初めて、「靴を脱ぎ、自分の”素足”で荒野を歩く」という”生きるダイナミズム”を知るようになります。

是非、静かな場所で、「自分は一体何者なのか」と、自分に問いかけてみてください。そうすると「自分の本当の姿」についてより鮮明に捉えることができるようになり、「これからの仕事人生において、自分をどう磨いていくべきか」という極めて重要な問題について、より明確に、そして、より具体的に考えることができるようになります。

生井利幸

生井利幸

生井利幸なまいとしゆき

生井利幸事務所代表

「ビジネス力」は、決して仕事における業務処理能力のみを指すわけではありません。ビジネス力は、”自己表現力”であり、”人間関係力”そのものです。いい結果を出すビジネスパーソンになるためには、「自分自身を…

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