2018年10月05日

去る者は追う どこまでも!

みなさま、ごきげんいかがですか。
心臓止めて 頭を開けた 元歌手の社会保険労務士、黒田英雄です。

働き方改革は、企業側だけの問題ではなく、働く方(はたらくかた)の意識改革でもあります。
日頃から労働相談を受けている社労士として、働き方改革に関連した労働問題をもみほぐしていきます。

今回のテーマは「採用」です。

人が採れないから辞めさせない

2018年8月の有効求人倍率は1.63倍で、44年ぶりの高水準を前月から維持しています。企業側から聞こえてくるのは「人が採れない」の声。

たとえば飲食店に行くと、明らかに「回せてない感」が漂っているのを多く見かけます。限られた人数で対応しているからか、中にはすべての感情をどこかに置いてきてしまったかのような従業員も…

他の業種や、企業のオフィスなどでも同じような状況です。退職者が出ても人員が補充されないので、残った社員の仕事量が増えるばかり。そしてまたひとり、転職を決意する人が…

もちろん、企業は全力で止めにかかります。中には「退職なんて認めないぞ!」と言い張る社長さんまで。

去る者を追いかけるどころか、追い詰める時代になったんですかねぇ。
「次が決まっているのに辞めさせてもらえない」という相談は、急激に増えています。

もうこの先、形勢逆転することはない

こうなることは、だいぶ前から予想されていました。そもそも人口自体が減っていくわけですから、労働力という限られた資源を奪い合うサバイバル状態になっているのです。

この先、若い世代が爆発的に増えることはほぼありません。労働者側がどんどん強くなっていくわけで、その形勢が逆転することはないと考えたほうがいいでしょう。

企業側のお話しを伺っていると、まだまだ就職希望者を「選ぶ」という意識が強いように感じます。もちろん選考する権限があることは今までと変わりないのですが、いずれ応募がゼロなんてことになったら…?

つまり「選ぶ」前に、まず「選んでもらう」ことが必要なのです。

そして労働者のみなさんも、自分が「選ぶ」側になってきていることをよく理解するべきです。その意識改革が、さらに働き方改革を推し進めていく原動力になるはずです。

同じ苦労をするのならば

企業側としては、どのようにすればいいのでしょうか。

まずは何よりも、働き方改革関連法にしっかり対応することが必須です。

労働基準法では「この法律で定める労働条件の基準は最低のものである」とされています。つまり、2019年4月からすべての企業で義務付けられる有給休暇の取得は、あくまで最低限のラインになります。

「なんで有休なんか取らせなきゃいけないんだ!」と考えている時点で、そもそも法律違反になりますし、労働者からも選ばれることはないでしょう。

たとえば「有休100%取得できます!」という企業には、間違いなく人が集まると思います。ただ、その体制を作り上げるのには、大変な苦労があると思います。

でも、人がいなければ仕事は回りません。採用の苦労と比べたときに、どちらを取りますか…?

これからもさまざまなテーマを取り上げます!

今回は「採用」について取り上げました。働き方改革関連法が施行されることで、他にも影響が出る部分はたくさんあります。

来月も、また別の視点から労働問題をもみほぐしていきます。

どうぞお楽しみに!