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2020年06月19日

なぜ地方にIoTやAIが必要なのか?

IoT(Internet of Things・モノのインターネット)とは、離れた場所に対して、そこまで行かなくても何か作業をしたり、そこから情報を取ったりすることができる技術です。遠くにあるものを動かしたりできるラジコンのようなものと考えるとわかりやすいでしょう。つまり、「距離」という概念をなくすことができるのです。

一方、AI(Artificial Intelligence・人工知能)が発達すると何ができるかというと、手で操作する必要のない自動運転のようなことです。最近、家庭にも少しずつ普及しつつあるスマートスピーカーは、AIを活用した製品例のひとつです。スピーカーに対して、毎朝「お腹減ったな〜」と喋っていたら、A Iがその人のルーティンを覚えて自動的に学習してくれて、そのうち起きた瞬間に日経新聞とトーストを用意してくれるようになるかもしれません。

地方が抱える2つの問題といえば、「高齢化」と「人手不足」があります。これらをいろいろな人たちがIoTやAIで解決すると言っていますが、買い物はIoTやAIで解決する問題ではありません。すでに宅配サービスで商品を届けることができるからです。

本当に問題なのはモビリティ、交通や人の移動です。地方では路線バスが少なく、例えば病院へ通院することは、高齢者にとって大きな負担になります。そこで考えられるのは、自動運転などのモビリティのサービスですが、それ以前に、そもそも病院に行かなくてもいいのではないかということです。

日本では、病院に行く多くの高齢者の目的は薬をもらうことで、実際の診療は非常に短時間です。ほんの5分くらいの診療を受けて、薬をもらっているのが現状です。そういう人たちに対しては、わざわざ移動に長い時間をかけて通院してもらうより、遠隔医療や自動販売機での投薬を提供すればいいのではないかと考えられます。

国が個人情報を取得できる中国は、5GもAIも日本よりかなり進んでおり、すでに遠隔医療や薬の自販機が実用化されています。証明写真の機械のようにカメラの前に座ると、向かいの画面に医師の顔が写っていて、そこで診察できるのです。

現在の8Kテレビのすごさをご存知でしょうか。手術の糸も目視できるくらい鮮明なので、顔色やシワの状態など細かい情報も、目で見るのと同じか、それ以上まで医者に届きます。法律さえ整備できれば、IoTやAIを活用して、特に内科などは日本でも遠隔診療を実現することは可能なのです。

他の分野でも、例えば農林水産業における人手不足の問題を解決することができます。地方の人手不足は深刻で、高齢者比率(労働力人口に占める55歳以上の比率)は約3割を占めますが、IoTやAIの活用によって、仮に東京に作業する場所があったとしても、北海道の土地で作物を栽培することが可能になります。

建設業においても同様です。本来、実際に建物を建てる現場へ行って作業しないといけないものですが、重機や道具を遠隔操作できるようになれば、現場へ行く必要がなくなるのです。これにより、現場で直接人が作業する場面を減らすことができ、防災面もIoTで解決できると考えられます。

都会より地方のほうが抱えている問題は多いです。もちろんIoTやAIがすべてを解決できるわけではありませんが、問題がたくさんあるところに技術を持っていき、そうした問題を解決していくことで、IoTやAIはさらに発達するのです。

地方には都会にはない広大な土地があります。休耕地を活用することで、新たな利益を生む可能性もあります。つまり、IoTやAIをうまく活用することができれば、地方の企業にとってはビジネスチャンスでもあるのです。

久原健司

久原健司

久原健司くはらけんじ

株式会社プロイノベーション代表

1978年生まれ。 2001年東海大学工学部通信工学科卒業後、ITの人材派遣会社に入社。大手コンビニエンスストアのPOSシステム保守運用業務を担当する。2003年からソフトウェア開発会社で、システム…

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