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2017年10月20日

男女で異なる研修プログラム

今まで一度も企業研修など、座学講座を受けたことがない。受けたとしても、新入社員の時のマナー研修のみ。それから今に至るまで、そのような機会がなかった。

私は、女性向け研修で、このような方たちを度々担当させていただいております。そのような状況の人は、特に30代後半から40代以上の女性に多いのですが、その理由は明確で、その時代の女性たちは、長期的に会社に居続けて働くことを想定されていなかったので、教育費をかけてもらわなかった。つまり、未来に投資してもらっていなかったのです。正社員もそうですが、派遣社員として就業してきた40代女性も多く、彼女たちも研修の機会に恵まれませんでした。ちょうど就職氷河期にあたるタイミングで正社員としての就職が厳しい時代だったため、派遣やアルバイトなど、非正規で就業する人も少なくなかったのです。そのため、社員と同等の教育を受けさせてもらえる機会に恵まれなかったというわけです。

しかしここ最近、一億総活躍、同一労働同一賃金といったテーマから、非正規にも教育を受ける機会を設けるよう、企業に指導が入っています。そのような理由から、過去は学ぶ機会に恵まれなかった、つまり研修慣れしていない女性が研修を受けることは少なくないのです。

私は、そのような女性向けの研修プログラムは、以下の点を意識をして作るようにしています。

テーマを絞りすぎて深掘りしない。

座学で一つのテーマを深く考えるというよりも、様々な知識を散りばめて、浅くてもいいので、学ぶ、知る楽しみを感じてもらいます。例えば、ロジカルシンキングなど、女性が特に苦手意識の高いテーマで1日となると、学ぶのが苦しいと感じてしまいますし、ひとつでも理解できない言葉が出てくると、もうそこで拒否反応が出て、それ以降は頭に入ってきません。

例えば、学生時代の授業は、60分~90分など、短い時間で次から次へと科目を変えて学んできました。苦手な科目の後に、理解しやすい授業があると、気分も切り替えられたなんてことがあると思います。この方法は女性には有効です。そして女性は、物事を自由自在に関連付けて理解する力が強いので、「自分が現場で実践するんだったら」など、習得したものを知識だけで終わらせることなく、現実に落とし込んで、気づきを検討し次に繋げます。

このようにダイジェストで学んでいくことが、実は効果を何倍にもしていくのです。また、女性の場合、体力も男性と比べると、平均的には低いものです。一昔前の男性向け研修ですと、寝ずに徹夜して考えさせる修行系のセミナーのやり方が、むしろ達成感、満足感につながったものですが、このやり方は、女性には残念ながら合いません。

実は私も若い頃、この修業的なやり方のセミナーを受けたことがあるのですが、ただただ辛く、もうディスカッションは嫌だと思ってしまいました。最初はいいのですが、眠いのに、徹夜で話し合ったりすると、次の日血圧が下がったり、ホルモンバランスが崩れるなど、次の週は具合が悪くて何もできませんでした。

女性向けの宿泊研修は、日中、集中して座学はグループディスカッションをし、その後はさくっと切り上げて、懇親会が望ましいです。懇親会の会話を聞いているとプライベートの話を中心に、横のつながりを深めていると感じます。
まさにここでは女子トークで、とめどなく話が続きます。このとめどなく続く会話を通じて女性は情報交換、情報共有をしているのです。

このやり方は研修だけでなく日々の仕事でも同じことが言えます。
ミーティングは、サクッと短めに、ダラダラとやらないことが鉄則です。

いかがでしょうか。

男性のルールに当てはめると、辛くなり、身にならない女性は多いのです。男女それぞれの心地いい学びがあるのです。

藤井佐和子

藤井佐和子

藤井佐和子ふじいさわこ

キャリアアドバイザー

個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…

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