2016年05月20日

今の女性の苦労、活躍が未来につながる

あえて女性だけを集め、女性リーダー育成研修を導入する企業はお分かりかと思いますが、研修を導入する理由として、女性の管理職者が少ないので、それを是正するために女性リーダーを登用し、個別に教育していく必要性があるから、といったものがあります。

先日も、ある企業で女性リーダーのための育成研修を実施させていただいたのですが、受講者の皆さんから「とにかく忙しくなった」という感想が多数あがりました。確かに、管理職になりたくない理由として、「大変そう」といった声は度々世のデータで見かけます。

特に女性は、リーダーとして責任ある立場を打診されるタイミングがライフイベントとぶつかってしまう、という傾向にあります。そのため、お子さんのいらっしゃる方は「認めてもらえるのはうれしいけれど、やっていく自信がない」と断る方もいらっしゃいます。先日受講いただいた新任女性リーダーたちも30代~40代が中心で、中には、育児よりも介護が大変、とおっしゃる方も。

プライベートの事情を抱えつつ、非常に優秀、有望なので抜擢されているわけですが、研修では「大変そう」をなんとか工夫して改善する方法を考えていただきます。今、彼女たちが自分に合う働き方でリーダーとして実績を作ってもらうことが、未来につながっていきます。でないと、男女ともにリーダーになりたがる人は減るばかりです。

そのために、研修のワークに、チーム全体の仕事の棚卸し(チームの役割、すべきこと、逆にする必要のないことを明らかにした上で、誰にどのように任せるのか)を考えてもらいました。時間は限られています。その中で、効率よくチーム運営していくためには、全体像を一度、見つめなおしてみていただく必要があります。すると、全部自分で抱え込んでしまっていた、実は部下の過去の経験や強みを知らないために、何を任せたらいいのかわかっていなかった、前任者が実施していた仕事で無駄だと思いつつ、そのまま引き継いだ仕事があった、など様々な課題が出てきました。

更に、他部署との関連も整理してもらうワークを実施します。自チームに役割があるように、他チームも同じように役割があります。自分たちだけで解決できないことは、他チームと連携したり、時には依頼、交渉しながら進めていく必要があります。そこで関係性を可視化していただくのですが、ここでも課題が出てきます。実はもっとやり取りをしたほうがいいのに、先方の担当者が忙しかったり、苦手意識があって密なコミュニケーションがとれていなかった、対等ではなく上下関係ができてしまっていた、など。

リーダーの大きな仕事として、他部署と連携を取りながら仕事をしていく「窓口役」があります。社内人脈に強いリーダーと弱いリーダーでは、成果に差が生じます。遠慮せず、どんどん関わっていくこと、そして表現がよろしくないかと思いますが、時には他チームに恩を着せることで、WinWinの関係ができていきます。実はこの戦略的なやりとりが苦手な女性リーダーも少なくありません。コミュニケーションスキルは高いのに、いざ交渉となると腰が引けてしまう、なんて方もいらっしゃいました。

もうこれは、やりながら慣れていくしかない、と私は思います。

長く組織で活躍しつづけるためには、女性もやりたい、やりたくない、はあると思いますが、さらに責任のあるポジションを求められていることは事実です。今の時代は、仕事を任されたり、役職を打診されるときは、まだ「男性には有無を言わさず、女性には様子伺い」という配慮があります。それは今まで、女性には社会がリーダーとしての役割を期待してこなかったため、役割を担うことに心の準備、経験の準備が不足している女性も多いからです。

あと少し時が経てば、男女隔たりなく、当たり前のようにレールが敷かれることになります。ライフイベントのタイミングは配慮してもらえるが、それ以外のことは男女平等です(逆に男性側にもライフイベントの配慮が進むことが予測される)。

今のうちに、チャンスがあればチャレンジして、時代の波に乗り遅れないようにすることと、新任リーダーとして後に続く人たちが働きやすい仕組みや実績を作ることを意識してみてはいかがでしょうか。