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2015年12月18日

ダイバーシティを進める前に『現場と事務局の温度差』を確認しよう

女性活躍推進、ダイバーシティ・・・このような言葉は、人事やダイバーシティ推進室の方であれば、耳慣れた言葉かと思います。私も仕事上、この言葉には敏感ですので、新聞やネットに出ていればすぐに反応し、内容をチェックします。

しかし思った以上に、社員はダイバーシティ推進に関して無頓着なものです。

女性全員、一般職女性、管理職手前女性、管理職女性、および対象となる女性の上司などなど、ダイバーシティ推進の対象となる方たちの研修を日々、実施しておりますが、残念ながらダイバーシティという言葉を聞いたことがない、または女性活躍推進法が成立したことを知らない、とおっしゃる方が思った以上に多いのです。

最近、どの程度「自分事」として、受講生がとらえていらっしゃるのか、研修の冒頭で聞いています。「女性活躍推進法という言葉をご存じの方!」とお伺いし、手を挙げていただくのですが、会場の3分の1挙がればよい方で、先日は一人も手を挙げない研修もありました。

「なぜ女性だけ?」そう思われるのは、当然のこと、と言えるでしょう。

このコラムをお読みの方は、きっと女性活躍推進、ダイバーシティ推進に関わっていらっしゃったり、課題意識をお持ちの方だと思われます。私も仕事上、メディアやクライアントとは、ダイバーシティは共通言語とし、普通に会話に出てきます。推進する理由、背景については、すっかり理解、腹落ちし、その上で会話している同士です。しかし、現場とは大きな温度差があります。推進に対する理由、背景がわかっていない人たちに対して、きちんと説明しているでしょうか。

先日、ある企業で、女性管理職に向けて研修を実施した際、なぜ女性だけ?私たちが男性に比べて劣っていると思われているの?男性の中にだって成果を挙げられていない人はたくさんいるのに!という声がありました。決してそういう意味ではなく、集合をかけていますが、なかなかその意図が伝わっていないようです。

必ず改めて説明したいこととしては、

・女性活躍推進、ダイバーシティが社会的課題であること
・女性の能力が社会で必要とされている理由
・ロールモデルの少ない中、女性のネットワークづくりも理由であること

これらを丁寧に毎回説明する必要があると思っています(上記3点に関しては、別コラムで解説させていただきます)。

また、女性だけでなく、上司となる男性にも何度も伝えていただく必要があります。実は最近、女性部下を持つ管理職向け研修を受ける際、「もう男性管理職の皆さんは、ダイバーシティに関する研修を受けて、背景はちゃんと理解されているので、そこは簡単で大丈夫です。」と言われる機会が増えてきました。ところが、実際はみなさん、日々の業務に追われていることもあり、一度話を聞いたことがあっても、すっかり忘れてしまっているのです。

手を変え品を変え、研修を実施する中で、これは毎回、同じ話になるかもしれませんが、丁寧に前提を説明することを欠かさない。もしくはどの程度、理解しているのかを、冒頭でヒアリングしたり、話し合うなどしてから、研修などをスタートするとよいでしょう。なぜなら、実際の現場はまだ変わっていないから、です。私たちが行動に移すには、自分の中での理解、納得、自分事になっているかどうか、が大きく影響します。

改めて、推進する上で、現場と事務局の温度差を確認してみるタイミングかもしれません。

藤井佐和子

藤井佐和子

藤井佐和子ふじいさわこ

キャリアアドバイザー

個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…

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