2014年06月20日

部下を知り、部下のグリップを握る

ダイバシティマネジメントというテーマで研修のご依頼を受けることが増えています。今後ますます、管理職の皆様は「自分と異なる部下」を抱えていくことになるでしょう。自分と異なるとは、「女性」「障害者」「若手など世代の離れた人」「働く価値観の違う人」「様々なライフイベントを抱えた人」「外国人」「自身より年上の人」「正社員以外の雇用形態」などです。過去は日本人男性中心、年功序列の世界でしたが、刻々と景色が変わってきています。

今までのやり方ではうまくまとめられないのは当然のこと。というか、まとめる、という発想自体が難しくなってきています。

ダイバシティマネジメント研修では、今までの管理職研修とは違うタイプの内容が求められています。それは「トップダウン思考を変えてほしい」といった要望です。かといって任せっぱなしでは、多くの違いを持つ人たちを抱える中で、間違いなく崩壊します。

これからの管理職の課題は、「どれだけ部下のグリップが握れているか」です。仕事上、クライアントのグリップが甘ければ、受注につながりません。これは部下も同じことです。

ではクライアントのグリップを握るために、皆様は何をしていますか?

おそらく、「情報収集」ではないでしょうか。「見込み客が突然、他社と契約することになって、うちとの契約を断ってきた」。こんな報告を部下から受けたら、きっと上司は「なんできめ細かく確認しておかなかったんだ!」と思うのではないでしょうか。情報不足、コミュニケーション不足が原因で、クライアントが他社に流れてしまうことがあります。

部下に対しても、これと同じように考えていただくとよいのではないでしょうか。いかに部下の状況を知っているか、コミュニケーションを図れているか。社外に対してやっていることを社内でも意識してみてはいかがでしょう。

しかし、たびたび管理職の方から「聞けないんだよ・・・」という声をお伺いします。これは実は、研修の際にどの企業でも必ず出てくる言葉です。管理職の皆様も情報が必要であることは重々承知。しかし、セクハラ、パワハラになるのでは?と考えてしまうと、特に女性に関しては、踏み込めないようです。

聞きづらいのでそのままにしてしまい、結果以下のようなことが起こります。
「きっと彼女は育休明けだから、仕事の負担を掛けないほうがいいだろう。急に休むこともあって、まわりに迷惑をかけることもあるし、本人も大変だろうから仕事の量を減らそう。」
「結婚について、どう予定しているかわからない。でもそろそろお年頃だから、今大事な仕事を任せたら、辞めてしまった時に困る。男性に振っておこう。」

一方、女性向け研修では、こんな声が上がってきます。
「育休明け、突然仕事の担当を減らされた。」
「同期の男性にばかり、大事な仕事が振られている。これではスキルにどんどん差がついてしまう。」

ライフイベントを確認しづらくて、このようなことが起こっているようです。ここで是非やってほしいのは状況確認です。聞き方を間違えなければ、セクハラにはなりません。例えば、「これからのキャリアプランをどう考えているのか教えてほしい」などのように尋ねるのであれば、全く問題ありません。

また面談では聞きづらいことは、チーム全体でお互い共有しよう、ということで、チームでワークショップを開いてもよいでしょう。その際大事なことは、上司自身がまずは自己開示することです。例えば、実は介護を抱えていて・・・など。

上司、部下それぞれの事情を知っていれば、未然に防げることが増え、余計な配慮は必要なくなります。

どれだけ部下のグリップを握れているか、そのためには部下について知ること。これがこれからの管理職のポイントではないでしょうか。