2014年02月20日

働き続けたい女性に選ばれる会社

現在、女子大で教鞭をとらせていただいているのですが、度々、彼女たちの本音に触れる機会があります。

「先生、やっぱり就職って一般職がいいですよねー?」

色々と聞いてみると、総合職でバリバリ頑張ってみたい気持ちはあるものの、残業や転勤が気になってしまう、とのこと。

「結婚したら、総合職だと残業とか転勤で続けられなそうだから。」

結婚出産後も働き続ける上で、残業や転勤は大きな壁になるのではないか、と考えているのです。

更に深く聞いていくと、

「残業はある程度なら仕方ないと思っているんです、でも毎日では、子どものお迎えだってあるだろうし。それに仕事中は、手を抜きたいわけではなく、暇も嫌。理想的な働き方は、仕事時間は忙しく充実していて、スパッと帰れる働き方。」

なんだそう。

このように考えると、特に日本企業の総合職的働き方が、今の女性たちの理想のワークライフバランスに合っていない、と考えられます。決してやる気がないわけではないようです。

しかし、そんな彼女たちも何とか内定を取りたいために、面接では「転勤問題ありません、残業も大丈夫です!子供が生まれた後も、働き続けたいと思っています!」とアピールします。

実際、企業の人事の方たちにお伺いすると、「採用面接のときは、転勤大丈夫って何度も確認してOKだったのに、いざ転勤のタイミングになると辞める女性が多くて困っている。」という声を度々聞きます。

さて、どうしても全国転勤が嫌、という学生には、実はこんな風にアドバイスしています。「それなら、大手日系企業の総合職ではなく、外資系か社風がフラットなベンチャー企業がいいのでは?」

そうアドバイスする理由には、大手日系企業は全国展開しているケースが多く、ジョブローテーションを前提としたステップアップコースが土台となっている仕組みでは、必然的に地方転勤は存在するから、です。外資やベンチャー企業は一か所集中の組織も多いため、当然、出張はあっても転勤は少ないですし、特に外資は専門性を重視する傾向にあり、たとえば入社時、マーケティングに所属したら日本のような職種転換はほぼなく、その中でのステップアップになっていきます。また残業に関しては、外資も風通しのよいベンチャーも時間外に仕事がないわけではありません。その分を持ち帰って、自分の空いた時間にやっているのが一般的です。主体性に任されているのです。また会議も、ワーキングマザーが参加する際は、海外とのやりとりを含む外資は家からでも参加できるテレビや電話会議など、仕組みができています。

これからの時代、ずっと会社にいなくても、チームに参加できる方法はいくらでもあるのではないでしょうか。そして、女性もそれを望んでいます。プライベートの予定を終わらせた後、仕事の時間を確保する。24時間の中、自分のペースで時間配分をする。IT化が進んでいる便利な時代だからこそ、それに合わせて働き方も考える必要があります。

では、転勤についてはどうでしょう。これも女性たちの意見ですが、「転勤は絶対にNGというわけではありません。特に海外とかも興味あります。が、いつ転勤するのか、次はどこに飛ばされるのかと、自分ではコントロールできない状態だと人生の計画が立てづらいから嫌なのです。」とのこと。つまり最初から、どのタイミングで何回転勤があるのか、のルールが決まっていれば安心なのです。しかし、今の日本の組織はロシアンルーレットのように突然決まって、「1か月後には引っ越して」、なんてことを普通に行っていて、半ば自虐的にそれを語る様子も。しかしこれは、女性には笑いごとではなく、耐えられません。

今は、全国転勤可能な総合職と地域職に分かれている日本企業も多く、地域職は、いわゆる出世コースからは外れたり、給与も全国転勤の人よりアップしない仕組みのところも多いです。

また、会社によっては「業界柄、お客様との癒着がないよう転勤を定期的に実施している」という組織もあります。その目的のために、全国ではなく、転居を伴わない異動を行っているところがあります。

しかし、もしかすると、本当は全国転勤が必要な仕事ならば、あらかじめのプランが決まっていると、人生プランが立てやすいかもしれません。また、癒着が心配な業態であれば、監視体制の仕組みを考えるなどの対策もとれるのではないでしょうか。

いずれにしても、"働き続けたい女性に選ばれる会社"作りのために、もっと働き方の形を変えていく必要がありそうです。また、おそらく働き続けやすい形にするほど、働く人たちの主体性、自主性が問われてきますので、ヒューマンスキルアップも併せて教育していく必要があるのでは、と考えます。