2013年06月20日

女性が気づかない組織のルール ~「根回し」は成果を挙げるための近道

先日、ある管理職の方が組織の中での立ち振る舞いについて、女性部下を指導している場面に立ち会う機会がありました。「何か企画を通したいと思ったら、提案が通る前の段階で、その企画に関わりそうなすべての人へ相談や報告を欠かさないこと」。言い換えれば、「根回し」とも言えるこの行動。一見、当たり前のように思える内容ですが、実は案外、女性が軽視しがちな落とし穴かもしれません。

以前、キャリア相談で、「企画が通ったのに、みんなが協力してくれなくて、結局打ち切ることになった」、「社長はOKと快諾してくれたのに、周囲が非協力的!」と、悲しい気持ちと怒りを混在させてお話しされる方がいらっしゃいました。優秀な女性で、企画も会社にとってプラスになることなのに、なぜこのようなことになってしまったのか。詳しく探っていくと、やはり「根回し」が出来ていなかったのです。

その時の状況をお伺いすると、「とにかくやりたい!会社にとっても間違った方向ではない!一刻も早く形にしたい」と想いが先走ってトップに提案。「やりたいならやってみろ」との後押しにより、企画は形になるまであっという間で、時間はかかりませんでした。

しかし、それを進めていこうとした段階で急に失速。理由は、誰も協力してくれなかったということでした。「会社にとってもみんなにとっても良い企画なのになぜ??」と憤りを感じながらひたすら頑張ってみましたが、結局、他部署の人も周囲の人も非協力的。空回りしていくのを日々感じていたところへ、とうとう結論が。「企画自体はよかったが、結果につながらないまま数か月が経ってしまった。一度、白紙に戻して今までの仕事に専念してほしい」と社長から言われてしまったのです。彼女にしてみれば、「社長がゴーサインを出したのに。そして、みんなも協力するように、と言ってくれたのに。なぜ?」と疑問が残るばかりだったそうです。

そこで、お伺いしたのが、「周囲に事前に協力を促しましたか?相談は?」ということ。答えはNOでした。そう「根回し」が出来ていなかったのです。

さて、冒頭の管理職の方が言っていた話に戻ります。企画の段階から、今後関わるであろう人に相談や報告をしておくと、実際に形にするときにその人たちが関わってくれたり、後押ししてくれるなど、成果に結びつきやすいとのこと。逆に、勝手に推し進めた企画は、たとえどんなによいものでも、「私は聞いていないから、知らない」、「やりたいなら私には関係ないことだから、勝手にやったらいい」といった心情があちこちから出てきます。そう、一言でいうと、知らされていないということが、その人たちにとって「おもしろくない」のです。

組織は人で動いています。どんなによい企画でも、周囲の協力がなければ成功しません。しかし、表面には出てこない組織のルールを知らないで、頑張りどころを間違えてしまうという女性は少なくありません。

もちろんこれは女性だけでなく、男性でも同じ過ちを犯す人はいます。しかし、社内営業って嫌いなんです、とはっきりおっしゃる女性は少なくありません。確かに面倒極まりないことですが、せっかくの企画をうまく形にするためには、やはり「社内に協力者がいること」は大きいのではないでしょうか。

組織の中で継続的に成果を挙げ続けるには、社内との関係は切っても切れないもの。しかし、チーム単位で動くことが苦手で、そこに興味を持てない女性が多いのを研修やカウンセリングでも感じます。女性自らが意識することは大事ですが、女性では気づけない男性団体のルールを言葉で説明してもらえた冒頭の管理職の部下は、ラッキーだったと思います。是非、女性では気づけない組織のルールを、たくさんの男性上司の皆様からご指導いただけたら、と願っています。