2013年02月20日

上司への不満は期待の裏返し

先日、40代の女性Aさんが、過去を振り返ってこんなことをおっしゃっていました。「私は若い頃、上司は万能だと思っていた。だから上司の出来ていない姿を見ると、期待を裏切られた気持ちになって、がっかりするだけでなく、もっと○○してほしい、と要求を突き付けていた」。

働く女性同士のプライベートの会話ではたびたび上司の話題が出てきますが、Aさん同様、上司に期待してがっかりすることを繰り返す人も少なくありません。私の友人のひとり、Bさん(やはり40代の女性)も転職を数回繰り返しているのですが、その理由が毎回、「上司や経営者に対しての失望」でした。

男性管理職のなかには、女性部下から執拗に攻撃され、あれこれ指摘され、コーナーまで追い詰められたような気分を味わったことがある方は少なくないでしょう。ある40代後半の男性管理職の方は、「一挙手一投足を女性部下に監視されているようで、息苦しくなる。ちょっとでも女性の仕事の優先順位を低くしたり、アバウトな回答をすると、すぐに問い詰められる。できれば関わりたくない...」とこぼしていました。おそらく女性部下に正論を言われて逃げ場がなくなり、特に上司の仕事である部下の育成、仕事の管理について突き付けられるとぐうの音も出ないようです。


私はあるとき、上司に対して手厳しい女性たちの共通点を見つけました。それは、
◆上司を誰かと比べている
◆男性の、特に年上や権限を持った男性は万能であってほしいと思っている
上司に詰め寄る女性の心理は"期待の裏返し"であり、
その心理には「ファザーコンプレックス」が潜んでいると思います。

キャリア相談で上司に不満を持つ女性の悩みを聞いていくと、必ずと言っていいほど、彼女たちの家庭環境が見えてきます。友人Bさんの理想の男性は自分の父親。彼女の話によると、経営者だった父親は常に正しく、社員を大事にする偉大な父であり、男性であったそうです。つまり、ファザーコンプレックスを仕事にも持ち込んでしまっているのです。(実は上司だけでなく、結婚相手にも求めてしまうのですが...)

さて、冒頭で例に挙げた女性のAさんは、仕事を通して様々な上司と出会い、ともに働くなかで「上司は万能じゃないんだ!」と気付いたそうです。それに気づいた途端に許容範囲が広くなり、今では依存せず、期待せず、自分の方ができることはさっさと自分でやるようになったことで、人間関係も仕事もスムーズになった、とおっしゃっていました。

では、男性上司側はAさんのように女性部下が気付いてくれるのを待つしかないのかというと、男性たちにも課題があります。それは、見栄を張らないことだと思います。

特に40代後半以上の男性は「男の子なんだから」と育てられてきました。でも、男性だって本当は自信のないこと、出来ないことはたくさんある。上からの評価があるし格好悪いところは見せたくないなど、小さいことを気にしてしまうこともあるでしょう。その例として、営業職の男性が架空計上を繰り返し、達成したときに周囲から称賛される瞬間のためだけに嘘をついていた、というケースを私はいくつか見てきました。後から調べられれば分かることなのですが...。一方、女性ではこういった事例をあまり聞いたことがありません。

男性の本来の姿を女性にわかってもらえると、もう少し楽にやりとりできるのではないでしょうか。もちろん、すべてをさらけ出す必要はありませんが、自分は万能ではないこと、たとえば、失敗談や家族の話など、本音で語ってみてください。そして、自分も努力はするが協力してほしい、そんな部下が必要であるというメッセージも伝えてみてください。女性は共感の生き物ですから、」上司のそんな人間らしい(くさい)部分が見えたら心を許してくれるかもしれません。バレンタインデーやホワイトデーを機に、少し女性部下と会話してみてはいかがでしょうか。