2019年03月20日

業務効率化のちょっとしたポイント

2018年6月29日に働き方改革法案が成立し、2019年4月以降、改正法の適用がスタートするという流れの中、皆様は、待ったなしの状況ではないでしょうか。先日、働き方改革を考えるための異業種セミナーにて登壇させていただいたのですが、どの企業も「管理職が大変」とのこと。つまり、法案適用待ったなしの状況が差し迫る中、管理職が部下の仕事を巻き取り、早く帰宅させるなど、取り急ぎの策に走っているわけです。このセミナーに参加された方のお話を伺うと、どの企業もこのような状態でした。

「仕事は減らないのに、時間制限だけが厳しく言われる」
「仕事の質は落とすな、と言われる」
上司は会社から、部下たちは上司から早く帰れと言われますが、皆それぞれが、実際の仕事量は減らないと悩んでいます。

その解決法は、誰もがわかっていることですが、「根本からの業務と時間の見直し」です。
しかし、「自社だけではどうにもならない」ということも分かっています。

先日、ある企業の管理部長さんに、「お客様から社内資料の作成まで押し付けられて、相手がお客様だけに断れずにみんな困っている」というお話をお伺いしました。

業務の効率化を図るために、自社でやりきれない仕事は、抱え込まずに外部に出す。これは間違っていないと思います。しかし、自分たちだけがよければいいという考えは違います。もしも外部に出すのであれば、お金を支払うべきでしょう。しかしその前に、その仕事が本当に必要かどうかを問うことがもっと重要ではないでしょうか。

私の企業研修では、管理職の業務を洗い出し、そこから効率化を図れるもの、やらなくてもいいもの、などを振り分けてもらいます。しかしながら、「どの仕事も効率化は図れないし、やらなきゃいけないし」とおっしゃる管理職の方が多いのが現状でした。既に残業もたっぷりしていらして、目の前のことに追われているため、新しいことに着手したり、戦略を立てる時間なんてありません。いつも後回しで、いずれやろうやろうと思っているうちに、あっという間に月日は流れてしまうという具合です。

しかし、客観的に見て、これは効率化が図れるのではないかと思う仕事があります。それは、社内向けの報告資料作りや会議です。最近、様々な会社のオフィスにお伺いすると、会議室に「会議ルール」が張られているのを目にします。「1時間で会議は終わらせる」「発言は積極的に」「人の意見は否定しない」などなど。定型的に半ば伝統化した社内事情を一度大きく見直す必要があると誰もが感じているようです。

会議がスムーズに行われるためには、ファシリテーターが優秀かどうか、上下関係を気にせずに意見を出し合い、受容しあえる出席者かどうかの2点がポイントです。ある企業では、中堅若手にファシリテートを任せ、上は極力意見を言わずに、自身の価値観とは違う世代間差を感じても任せてみるといったスタンスを取っているところがあります。結果として、この組織のミーティングは非常にスムーズで、物事も早く決まります。また、みんなに発言機会があり、それぞれのコンセンサスが取れているため、後になって、「自分は実はあの会議で決まったことに反対だ」なんて言う人もいません。

一方、会議が長くなる結果、何も決まらないのは、上下関係をミーティングに持ち込んでいるケースです。例えば、なんて効率の悪いミーティングなんだろうと思ったのが、こんな会社でした。
・会議の席が偉い人順に決まっている
・発言は、順番が決まっている
 ※これはある程度、報告等は致し方ないですが、すべてが決まっていると、言いたいことが言えません。
・若手の意見を上長がすぐに否定するだけで、アドバイスがない。結果、意見を言っても意味がないと思った若手から意見があがらなくなる。

このように、大体が上司の問題、風土の問題なのです。

そして、先ほどの社内資料作成に時間を取られる組織も同じく、このことが問題になっています。社内資料は、全く必要ないわけではありませんが、いつまでも資料作りに時間を取られる理由は、部下が上司に報告を上げたら、何度も戻されて作り直さなくてはならないからなのです。一方、私のお客様の中に、社内資料作りが早くて優秀な組織があります。なぜなのかをお伺いしたら、新人の頃に徹底して資料の作り方を叩き込まれるんだそうです。つまり、社内資料の型が決まっているのです。私が見た限りでは、そのままお客様へのプレゼン資料として通用する出来栄えでした。

話は戻りますが、仕事を外部に出す前に、自社の仕事を改めて見直し、誰もが会議や議事録を含めた社内資料がきちんと作れるようになった上で、外部にアウトソースした方がよいものは出すといった流れを作ってみてはどうでしょうか。

まずは社内資料の統一化から、おススメしたいと思います。