2018年12月20日

テレワーク導入による新たな課題

 最近、働き方改革の一環として、柔軟な働き方を推進する動きがありますが、その中でも特に、テレワークの導入は、各企業で着実に推進されている印象があります。各企業とも、導入から、試行錯誤を重ねることで、この働き方に慣れてきた、という評判も聞こえるようになってきました。

テレワーク導入によるメリットデメリットは様々かと思いますが、よく言われる代表的なものを羅列してみると・・・

<メリット>
・通勤時間が減る、交通機関麻痺など支障が出たときに仕事が止まらない
・育児や介護中の社員が、会社を辞めずに働き続けることができる
・プライベートの充実が図れる

<デメリット>
・管理が難しい
・部署や仕事内容によってテレワークでは、できない仕事があり、不公平感がある
・就業時間以上に働いてしまう人もいる

などです。

 特に、デメリットとして挙げた「管理の難しさ」は、会社側が難しいと感じているだけでなく、テレワークを使う本人の中にも、「自己管理」に不安を感じている人が、いらっしゃいます。現に、会社に出勤して、周囲の目を感じ、管理されているからこそ、仕事に集中できるのに、とおっしゃる方もいらっしゃるのです。

 しかし、メリットの例として、先日ある女性がこんなことをおっしゃっていました。
「仕事は嫌いではないけれど、今の人間関係(ある特定の人との関わり)がつらい。毎日同じ空間に苦手な人がいることで、会社に行きたくないと思っていたが、最近テレワークが導入されて、週2日は出社しなくても仕事が可能になって、ストレス軽減!」

 会社を辞める理由で、女性に多いのが「人間関係」です。特にデスクワークが多いと、顔を突き合わせる時間が長くなり、嫌だと思うと、なかなか向き合えないどころか、益々嫌なところが目について・・・。会社にいるのがストレスに。

実際、女性のキャリアカウンセリングでは、長年、上記のような相談を多く受けています。

 人間関係はある程度の距離感があった方がうまくいくということもあるようです。実際、テレワークが導入されて、人間関係のストレスが軽減された、とおっしゃっていた女性は、テレワークは、単に出勤のストレスが減ることかと思っていたが、人間関係のストレスからの解放が一番のメリットだったと感じたようです。

 このように、実際にテレワークを導入し、活用してみないと、どんなメリットがあるのかは、わからないのかもしれません。

 しかし、一方でマイナスのケースもありました。以前、ある企業の営業部で、直行直帰、テレワークを、導入したところ、さぼっている社員が山ほど見つかって、導入を中止にしたというお話をお伺いしたことがあります。やってみてうまくいかないから中止となると、再導入はハードルが高くなるものです。もし、マイナスの部分が見つかったら、どうしたらうまくいくのかを再検討しながら、続けることも大事ではないでしょうか。

 勝手ながらその企業がうまくいかなかった理由を推測すると、いわゆる「体育会系」の体質だったのだと思います。もっといえば、トップダウンで、上司の言うことは絶対であり、帰りづらい風土の組織。つまり、管理されて頑張る社員ばかりだったのです。自由に、自己管理をさせて、成果をあげなさいと突然言われても、難しかったのではないでしょうか。

 テレワークをうまく機能させるためには、ルールも大事ですが、社員それぞれの自己管理力も大事になってくると思います。見ていないから、さぼるというのではなく、会社から期待されていることを理解し、それに向けて、自分で計画を立て、自己管理しながら成果を出していくことができるかどうかだと思います。

 そして、もう一つ大事なことは、誰に何を相談したらいいか、依頼すべきなのか、好き嫌いではなく、お互いの役割を知り、関わることが大事です。テレワークが進むと益々、顔を合わせる時間は減っていきます。そんな中でも、ひとりで抱えることなく、自分から困ったこと、助けてほしいことは発信できるかどうかが大事です。

 今までの対面でのコミュニケーションスキルというよりも、誰とどう関わるべきかを考え、発信していくコミュニケーションが必要となってきます。

 多様な働き方の一つとしてのテレワーク。折角の仕組みをうまく活用するためには、今までとは違うスキルと課題が必要とされてきています。そういったことに合わせた社員教育「自立した人材の育成」と「アサーションスキル指導」が必要になってきていると感じています。