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コラム 教育

2010年10月15日

回転ずし店で子どもの注文は子どもにさせよう

 首都圏屈指の難関中に子どもを合格させた家庭を訪問取材していると、「子どもが自分でやるべきことは、自分でさせていた」という家庭が多いことに気づく。

 確かに、子どもの学習机を片づけたり、上履きを洗ったり、翌日、学校や塾へ持っていくランドセルやカバンの中身を整えたり、と、子どもでもできる作業は多い。 

 皆さんの中には、その大半をママ自身が手伝っている家庭もあると思うが、ママがほとんど準備してしまうと、子どもは、(ママがすべてやってくれる)と甘えてしまい、その結果、何かに直面すると、すぐに誰かを頼ってしまう人間になってしまう危険性がある。

 そうならないためには、ママが必要以上に先回りして子どもを手伝わないことだ。
机の片づけ(=整理能力が身につく)、上履きや体操着を洗うこと(=水や洗剤の量を調節できるようになる)、カバンの中身を詰める(何が必要で何が不要か学ぶ)…すべてが学習なのだ。子どもからすると億劫な作業かもしれないが、これらを子ども自身にやらせることで、創意工夫の習慣がつくほか、目の前にある問題から逃げない気持ちも育ってくる。

 私は、ファミリーレストランや回転寿司チェーン店で、しばしば、ママやパパが、
小学生とおぼしき子どもの食べるものを注文するという光景を目にする。
「パパ、海老とマグロ」
「海老とマグロ? 一皿ずつでいいんだね? すみません、海老とマグロを一皿ずつわさび抜きで下さい」

 こんな具合である。デパートや文化ホールなどに行くと、子どもに代わって、ママが、係員に、「トイレはどちらでしょうか?」などと聞いている光景もよく目にする。

 幼い園児ならいざしらず、小学生にもなってこの状態は好ましいことではない。親のサポートが至れり尽くせりであればあるほど、子どもの自立心だって育たないので、これからの激動の社会を生き抜いていく力をつけるためにも、自分のことは自分でやるというごく当たり前のことを、親は子どもに植えつけておくべきではないだろうか。

清水克彦

清水克彦

清水克彦しみずかつひこ

文化放送プロデューサー

文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…

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