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第5回「褒め方」
さて今回は部下の褒め方についてです。若い人の価値観も、ほんの数年の違いで変化していますので、ぜひ今一度ご確認ください。
褒めるときはみんなの前で、叱るときは個別に→もう古い?
少し前まではこのフレーズが定番でしたし、私も研修でそう伝えてきましたが、令和も7年目になり、少し様相が違ってきているようです。株式会社あしたのチームが実施したある調査によると(2024年7月)、いまは「褒める」も「叱る」も人前ではNGという結果が出ているようです。その理由は、ほかの人が人前で褒められることで、自分と比べてしまい、逆に落ち込んでしまう。また自分が人前で褒められることで、周りがそう思うことを先回りして察し、戸惑ってしまう、ということのようです。もちろん、全員がそうではないですが、若い人に触れていると、こうしたマインドも確かにあると感じます。承認欲求は強いのに、同時に周りとの関係を常に気にするところがいかにもZ世代らしいと思いました。ですので、褒めるときは相手の性格を見て、人前で褒められたい人かどうかを見極めてからにしましょう。
相手の得意なところを見つけてあげる
いまの若い人たちは、上司に自分の得意分野を認めてもらうことがとても嬉しいようです。たとえば「そうかあ、君はこの分野が得意なんだね。なら今度こんな仕事があるんだけどやってくれる?」のように声を掛けられると、やる気がアップするのだとか。こうした声掛けをするためには、やはり日ごろからその人の得手不得手を観察することが重要ですよね。ただボーッと部下を見ていては令和の上司は務まりません。
相手に深く入る褒め方とは
褒める、というとよく「すごいねー」「カッコイイねえ」とうわついた言葉を並べる人が多ようです(私もよくやってしまいますが)。これはYouメッセージといって、主語が相手ですよね。You are ….(あなたは~)という言い方。これはただ相手の状況を形容しているだけなので、言われればもちろん嬉しいのですが、問題は「うそをもつける」ということです。自分がほんとにそう思ってなくても言えるということですね。一方、相手を通して、自分はこう影響を受けた、こう感じた、という思いを発することをIメッセージといいます。
これは研修でよく見聞きするベタなトピックなので「そんなの知ってるよ」と思う方が多いはずですが、いざ実践するとなるとなかなか難しい。なぜなら、自分の思いを伝えなくてはならず、考える必要があるのと、嘘をつきにくいからです。たとえば「君のやり方をみて自分も初心に帰ったよ」「君の挨拶聞くとなんだか元気出るなあ」「こないだの発言、俺も心の中で同じこと思ってたけど言えなくてさ…ありがとう」など。このように言われると、相手には「あ、自分の行動をそんな風に思ってくれんだ」と伝わり、うわべだけの褒め言葉より何十倍も効果があるものです。
褒める/認める
相手を褒めたい、がしかし褒めるところがない―こう思う上司も多いはず。そんなときは、仕事の成果から少し離れ、相手のふだんの行動に着目しましょう。どんなに仕事ができなくても、どこかしらいいところがあるはずです。たとえば「いつも朝早いね」「いつも元気だね」「こないだのミーティングではちゃんと話を聞いていたね」「先日の報告書、きれいに書けていたね」など。認めるということは成果にはこだわらず相手の存在、よい行動を伝えてあげるということです。そうすることで、「上司は自分のことをちゃんとみてくれている」という思いが伝わり、それがやる気に繋がっていくのです。
いつの時代も相手を承認する大切さは変わらない
どれだけテクノロジーが進化しても人と人との関係は変わりません。人は社会的動物であり、相手との関係の中で生きていくわけで、その際、相手から認められたいという気持ちは必ずあるものです。そのやり方は時代や人によって違いますが(大勢の前よりも個別で、というように)、やはり相手を褒める、というアクションは、円滑な人間関係において不可欠な要素だと思います。ふだん部下を褒めていない上司のあなた、今日から「褒める」を始めてみませんか?
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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