先月は、DX人材を外部に求めるのではなく、現場の担当者がDXの目的を理解して適切なツールを使うことでDXを推進する方が、遙かに早く、効率よく、適切に進めることができる「可能性がある」というお話を書きました。では、どのようにすれば、そのような人材を育てることができるのでしょうか?ヒントは「頼りになるあの人」です。
どこの会社にも、「PCが動かない」などというときに面倒を見てくれる人がいるものです。その人は、営業職かも知れませんし、総務部の担当者かも知れません。ITの専門家ではなく、他に業務を持っていて、ITのこともちょっとわかる、という感じの人です。
こういう人が、社内のDX人材の有力候補です。別に、プログラムを書ける必要はありません。今では、プログラムなど書かずに業務を効率化してくれるツールは山ほどあります。それを選ぶ目は必要ですが、それとても2つか3つ試してみれば、おおよその見当は付きます。大事なのは、「業務の進め方に違和感を覚えること」です。その違和感を解決するために、何かツールを使えないか、プロセスを変えられないかを考えること。それが、DXの第一歩なのです。その第一歩を踏み出せる人材を見つけ、時間と予算を与え、何かが生まれるのを待つのです。できれば、プログラミングの勉強などをすれば良いと思いますが、必須ではありません。
そして、それほど長く待つ必要は無いでしょう。遅刻や欠勤の連絡をLINEでできるようにしたらどうか、とか、上司がLINEを使っていないのならLINEの内容をメールに転送するようにしよう、とかいった小さなアイデアがどんどん出てくるはずです。
そして、誰かがそういった工夫を始めると、その周りの人達もそれに興味を持ち始めます。そこで皆がいろいろなことを始めたら、しめたものです。会社はDXへの軌道に乗り始めたと言っても過言ではありません。もちろんそれだけでは駄目で、出てきた芽をそだてることも重要ですが、スタートとしてはこれで十分でしょう。
大事なのは、現場での発想であり、気づきです。これは現場にしかなく、逆に日本の現場はこれを見つけて改善することが得意です。戦後の復興は現場力にこそあった、といわれることも多いですが、そういうことなのではないでしょうか。その気づきをデジタルにうまく結びつける事がDXへの第1歩なのです。


大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
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