2018年12月05日

ガラスの世代は くりかえす

みなさま、ごきげんいかがですか。
心臓止めて 頭を開けた 元歌手の社会保険労務士、黒田英雄です。

働き方改革は、企業側だけの問題ではなく、働く方(はたらくかた)側の意識改革でもあります。
日頃から労働相談を受けている社労士として、働き方改革に関連した労働問題をもみほぐしていきます。

今回のテーマは「パワーハラスメントの防止」です。

ハラスメントか暴力か

先日、パワハラの専門家としてテレビ番組に出演しました。
そこでは実際にある方の相談を受けたのですが、職場の先輩から冗談交じりに髪の毛を引っ張られ、抜けてしまうこともよくあるというものでした。

髪の毛を引っ張るというのは、嫌がらせというより暴力の要素がかなり大きいです。
パワハラは、業務の適正な範囲を超えているかどうかが判断基準のひとつですが、こういった身体的な攻撃は、仮に仕事上の必要性があっておこなったとしても「業務の適正な範囲」には含まれません。

ここ最近ニュースで報道されている事件では、ハラスメントの域を超えてしまっているものが多く見受けられます。
スマホで簡単に撮影ができるようになり、時には目を覆いたくなるような映像が証拠としてテレビで流れています。

そういったものもいっしょくたにして「パワハラ」とくくってしまうのはどうなのかな…と思いながら見ています。

増えつつあるパワハラ相談

パワハラに関する労働相談は、年々増えつつあります。
ではパワハラが実際に増えてきているのかというと、そうではなく元々たくさんあったんだと思います。
ネットの普及で情報が増え、窓口が整備されてきたこともあって、相談という行動を起こす人が増えてきているのでしょう。

私は40代ですが、学校では体罰も受けましたし、働くようになって嫌がらせも数多く見てきました。
社会に出た20代の頃は、パワハラという言葉もまだありませんでしたから、飲み屋で友人どうしグチりあうくらいしか対処法はありませんでした。

もちろん50代以上の人生の先輩方も、仕事の中でたくさんイヤな思いをされてきていると思います。
「だから若い人にはイヤな思いはさせまい」と教訓にされている方もいれば「自分だって我慢してきたんだからこれくらいいいだろう」という考えの方もいます。
おそらく後者の方が、パワハラの加害者になってしまうのではないでしょうか。

パワハラ防止のカギ

働き方改革では「パワーハラスメントの防止」も重要な取組のひとつとして挙げられています。
ダイバーシティ(多様性)推進の一環として、高齢者の労働力の活用をうたっていますから、定年後も働く方がこの先もっと増えていきます。
そうすると、20代と70代が同じ職場にいるなんてこともあったりして、ジェネレーションギャップからパワハラに繋がる可能性もあります。

私の好きな曲のひとつに、佐野元春さんの『ガラスのジェネレーション』があります。
1980年リリースで「つまらない大人にはなりたくない」というメッセージが当時の若者に絶大な支持を得ました。

その頃の若者も、今は50代~60代。
「最近の若いもんは…」と言われていた人たちが、今では同じセリフを口にしています。

しらけ世代、新人類、ゆとり世代。
いつの時代も、若者は「理解不能な生き物」として扱われてきました。

となれば、その扱いを経験してきた側の世代から歩み寄っていくことが、パワハラを防止するカギになるのではないでしょうか。

パワハラは年配者から若い世代に対してのものだけではありません。
でも、やはり大半はその構図で成り立っています。

「俺たちの時代はこうだった」
「俺たちもこうやって乗り越えてきた」
…こんなつまらない大人にはなりたくないと、若者から思われているかもしれませんね。

これからもさまざまなテーマを取り上げます!

今回は「パワーハラスメントの防止」について取り上げました。

働き方改革関連法が施行されることで、他にも影響が出る部分はたくさんあります。
来月も、また別の視点から労働問題をもみほぐしていきます。

どうぞお楽しみに!