2015年02月02日

選手の成長と今後の競技スポーツへの期待

つい先日シンクロの13-15歳対象のソロ・デュエットの全国大会があり、私の教え子の一人が、三重県シンクロ史上初めて全国大会での入賞を果たしてくれました。大会に臨むに当たっての狙いは、"メダル獲得"と選手と今大会の目標設定を話し合っており、実のところ6位という結果は設定より低い順位だったのですが、それでも大変収穫があったと評価しています。

どういった部分が収穫だったのかと言いますと、まず他の強豪クラブや上位陣が常に接している勝てる試合運びというものを、うちの選手が初めて、例えかすった程度でも経験できたこと。そして、メダル圏内に入ることを想定した高い難易度や表現を盛り込んだプログラムにようやく挑戦できるまで技術が上がってきたこと。さらに、今回演技後半にスタミナ切れをしてしまい、それが今回の得点にどういう形で反映され、その課題を克服できたとしたら次は何位に食い込めそうかという具体的な数値が見えてきたことなどが挙げられます。その選手も「次はもっと!」とさらにやる気に燃えている様子で、試合後の分析も自分でしっかりとしており、私としても「よしよし。いいサイクルに入って来たぞ。」と嬉しく思います。が、やるべきことや課題は山積。今シーズンを通して、その選手のみならず、担当の選手全員がそれぞれのステージでそれぞれの達成感を味わえるよう、導いてあげられたらなと思います。しかしコーチ業はとても難しく、選手と同様にコーチもコーチとしての経験を積んでいくことで初めて選手を導いていけるのだろうと感じます。しかし純粋に選手の成長を見るのはとても楽しいことです。

と、いつも同様ついつい個人的なお話ばかりを聞いて頂いておりましたが、私はシンクロ以外にもう一つ、地域で行われている競技スポーツ界全体の競技力向上を考えていくお仕事の拝命を頂いております。ポイントの合った強化施策を進めていく時に、まず前提になるのが各競技団体の現状や課題を把握することになるかと思いますが、それに従って情報収集のためにヒアリングが実施され、それを紙媒体に落としたものを見ながら結果報告を受けるという会議の場がありました。そして、ここで面白いぐらい成果が上がっている競技団体と、伸び悩んでいる競技団体との違いが表れる結果報告を受けました。

どの業界でもごく当たり前に言われていることと思いますが、成果が上がっている競技団体の回答ほど、文字数が多く丁寧に書かれており、現在の強化策はこんなことをしていて、その結果本年度は何位の成績を残し、来年度に向けては課題をこう分析し、こういう事をやっていこうと強化策の方向性を示し、サポートしてもらいたいポイントが明確に示されてあります。一方の低迷している競技団体の回答は、言わずもがなですが、練習場所がないので作ってほしい・・、めぼしい選手がいないので本年度も来年度も入賞は見込めない、要望はポイントで示されておらず漠然とどうにかして下さい・・・というような内容になっていました。ここから読み取れるのは、もちろん競技人口によって光る原石の数にも違いは出てきますが、大切なのは競技団体そのものの運営がしっかり安定していて、対外的にも情報収集のパイプを持っていたり、指導者との情報共有と連携が取れていることであったり、そして何よりも選手に関わる人達皆さんが冷めていないこと、諦めていないことだったり、と思います。

同じ競技の中でも全国トップレベルにある選手を何人も排出するところには確固たる強化ノウハウがあり、また他競技でも強化が進んでいるところには共通してノウハウが存在しています。私個人的には、そういった情報を取り入れ学んで頂く指導者研修会も活発に行うことと並行して、競技団体の運営コンサルを行うのも一つの方法なのかなと考えています。また、地域全体に各競技団体が行動を起こしやすいサポート体制と雰囲気づくりを周知していくことや、選手本人の強い思いと主体性と、またその保護者や、関係者が、一人のアスリートが成長していく過程を一緒に見守り、一緒に考えていくという向き合いをしていくことが重要だと考えます。

これからの取り組みがどう実を結ぶのか。一朝一夕で成果が出るようなことではありませんが、スポーツって人をワクワクさせてくれる力があるので、私としても本当に楽しみです。