2007年12月01日

他種目のオリンピック選手から学んだこと

2016年開催のオリンピックに東京が立候補地として名乗りを挙げていることを皆様はご存知でしょうか?その開催地が決定されるのが、なんと2009年10月。今から約2年足らずの時期に決まってしまうのです。言わばこの2年間が勝負。国民全体が「日本でやろう!」という熱い想いを持って下さることで初めてスタートラインに立てると言っても過言ではありません。

オリンピックを国内で開催したいと何割の国民が思っているのかどうか、世論を調べるスタッフが国際オリンピック委員会から派遣されるのだそうです。世論の賛成票が7割を超えなければ戦いは厳しくなり、その時点で、数ある有力な候補地の中から東京が脱落する恐れもあるとか。東京オリンピック招致委員会会長もおっしゃっていましたが、候補地が決定してから盛り上がるのは当然。

しかし、招致活動で大切なのは決定までの2年間を、それと同じぐらい、いやそれ以上の盛り上げにしていくことができるかにかかっており、それには国民の皆さんとの一致団結が最重要となるのです。招致活動をさらに活発化させるために、私はオリンピックに出場した経験談をお話してもっと深くオリンピックを理解して頂いたり、興味を持って頂いたりするお手伝いをする機会を頂きました。

機会を頂いて思うことは、招致活動における「興味を持って頂くこと」とは、単純に頭の中の想像の興味だけではなく、抱いた興味を「応援する行動」までのことを指すものであるということです。できるだけ多くの方々の興味を行動に結びつけるために必要になるのは、それが行動に値するぐらい魅力的なことだというアピールを継続して行うこと。難しいですが意義のあることだと感じ、私もこの活動に関わらせて頂くのが楽しく意欲を持っています。今までにない新鮮な感覚もこの活動の中で頂いています。

その新鮮な感覚というのは、まず、講演と違って個人ではなく、複数人。パネリストとして色んな競技のオリンピアンの方々とご一緒することです。競技それぞれに抱えるご苦労や、それぞれの葛藤と挫折。そしてその全てが浄化される瞬間の感情や想い。普段触れることのない貴重なお話を私も参加者の皆さんと共に聞くことができるのです。そして改めて思うのです。「スポーツって人を感動させる力を持っているなぁ」と。それをもっとわかりやすく伝えていくためには、やはりコミュニケーション能力を身につけなければならないと思うようになりました。私も努力しなければならないことの一つです。

そう考えはじめてから、私は、ご一緒する方のお話を前とは違った観点で聞くようになりました。あくまでも私の主観による感覚的な見解ですが、コミュニケーション能力が高く、そのお話が多くの皆様から共感を得られるような方々は、こんな面白い共通点がありました。独断ですが、その共通点について以下の項目を挙げさせて頂きます。

1.10分間のお話をしていたとしたら、その間最低5回は聴衆から大爆笑が起こる。
2.話し方のペースは比較的ゆっくりである。仮に早いペースであっても聞き取りやすい。
3.話している最中、身振り手振りが入ったり、何かしら体に動きがついている。
4.声に抑揚がある。
5.「えー」とか「そのー」とかの間がほぼない。
6.大勢の前での演説でも、その人から1対1で話しかけられているような錯覚になる。
7.話のオチがしっかりとある。
8.言葉の表現としては厳しい言い方をしているのに、聞いた後味が悪くない。
9.例え話などの話題が豊富。

果たして、自分は以上に挙げた項目にいくつ当てはまっているのか。言葉は技術より心がこもっていれば良いとも思いますが、やはり、すーっと体に浸透するようにお話ができれば、招致の目的である「興味を行動に」ということも実現しやすいように思います。そして聞きやすく魅力的なお話をされる方は、ユーモアがあり、自己分析がしっかりできていて、人間味が溢れています。そのため、そのような方からコミュニケーション能力を身に付けようと努力することは、人間としての自分をも磨くことに繋がるかもしれません。

招致活動に限らず、様々なことも当てはめて考えることができると思います。人に何かを伝えて「やっていきましょう!」と提案する場面はたくさんあると思いますから、その一回一回の機会を無駄にしないためにも、私は、独断で挙げさせて頂いている項目と今の自分のコミュニケーション力を照らし合わせて、向上させたい部分に取り組んでいきたいと思っています。

特にやっていきたいことは話の引き出しを増やすこと。9点目で「例え話」について触れていますが、本を読んだり、気に留めていなかったことをしっかり気づける自分になれると、どんどん引き出しは増えるのではないかと思っています。招致活動のことから転じて、自分のコミュニケーション能力の向上に対する目標を持てたことが最近の大きな収穫です。

皆様にもちょっとしたご提案をさせて頂きます。是非、自分が興味をそそられる話し方をされる方々の共通点を探してみて下さい。どんな内容のお話でも、面白く聞くことができます。何より楽しく自分のコミュニケーション能力向上に対して取り組んでいけるような変化になると思います。私も頑張って続けてみたいと思っています。

そして実際のオリンピック招致活動にも成果が現れますよう...。