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2008年07月20日

一流の監督、コンピューター型

一流と呼ばれる監督は大きく分けると
☆       カリスマ型 (神様型)
☆       メンタル型 (心理・精神型)
☆       コンピューター型 (頭脳・データ型)

この3つに分かれると私は思っています。
第2回でカリスマ型、第3回でメンタル型を紹介致しました。
第4回は、3つ目となるコンピューター型を紹介致します。

皆さまもコンピューター・頭・データと言えば、すぐに分かると思いますが、そうです。野村監督。
この監督がコンピューター型のナンバー1でしょう。
私自身野村監督の下、選手・コーチとして勉強させていただきました。
ですから、誰よりも(というと語弊がるかもしれませんが)よく知っているつもりです。

野村ノートというものがあります。
いわゆる監督のミーティングの内容で、A4で50~60ページのものです。
当たり前ですが、今も大切に持っています。
私自身『野村ノートの読み方』という本も出版しています。

ずばり、野村監督は頭の野球をします。

例えば、投手が投げる球は当然打者は投げられる前には分かりません。
ストレート? カーブ? フォーク? 打者はどれが来るのか迷います。
野村監督は、それらのデータを集め(捕手のサイン傾向、投手のクセなど)
投球を読むのです。そうする事によって打者がヒットを打つ確率を上げていきます。

データはどのチームでも調べているのでは? とお思いでしょう。
当然そうなのですが、野村監督のデータは、他のどこよりも細かなデータなのです。

普通はストライクゾーンを9分割で分析します。
野村監督は36分割です。
かなり細かく見て、そして結論を出します。

実際の試合ではどういう事があるかというと、
大魔人と言われた佐々木投手攻略方にこんな事がありました。

とにかく、<ストレート>狙いで行くわけです。
佐々木投手の場合、フォークボールに定評があったため、
選手のアドバイスについ「フォークもくるから気をつけろ!」と
最後に一言付け加えたくなります。
そこを、野村監督の場合は「ストレート一本!」これだけ!

つまり、「フォークもくるから気をつけろ!」と言ってしまうと、
打者は「ストレート」と「フォーク」の2つを追ってしまい、迷いが生じてしまうのです。

そして、選手が「フォークが来たらどうするんですか?」と質問をすると、
「お前に佐々木のフォークは打てん!」とはっきり言います。

一見冷たそうですが、実はフォークはみなボールなのです。
そして、佐々木投手が投げる球のうち、
データ上必ず、ストライクが来るのも事実です。
それを一球必打する事、これが野村監督の狙いです。
打者の迷いを払拭して、安打の確率を上げていくのです。

このような考え方でここ最近ブレークしたのが楽天イーグルスの山崎選手。
昨年はホームラン・打点の二冠王選手になりました。
データと選手の心理を巧みに操る頭脳派野球。それが野村監督のやり方です。

さて、第2から第4回まで一流監督のタイプを話してきました。
いかがでしたでしょうか?

第5回目は、親向けに私の子育論・方法を話したいと思います。
現在、長男はロサンゼルス・エンジェルスマイナー選手。
二男は東海大相模高校野球部・副主将(3番OR4番、セカンド)
2人の男子、親の後を追って日夜野球に励んでいます。
父として、指導者として奮闘しています。
そして、母と子供との接し方もお話したいと思います。
楽しみにしていて下さい。

角盈男

角盈男

角盈男すみみつお

タレント

1977年、長嶋監督率いる読売ジャイアンツに入団後、新人王、最優秀救援投手に輝く。1989年、日本ハムに移籍。さらに、平成4年にヤクルトへ移籍。野村監督のもと、リーグ優勝で有終の美を飾る。その後、元祖…

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