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2016年10月25日

1番辛い時に1番必要なもの

先日、宮城県東松島市に訪問した。
2011年3月11日14時46分、東日本大震災が起こった。もう5年も経ったかとも思うし、昨日のことのように思える。お邪魔した資料館にあった小学校の時計が14時49分で止まっていた。様々な思いが混在する。

東日本大震災を経験した役所の方が、「忘れて欲しくない。けど、今復興してきた景色になれて、今昔の町並みを思い出すことが少なくなった」「これだけでも風化なのかな」と話されていた。しかし、まだまだ避難をして埼玉に住んでいる方や仙台に移住した方に、戻りたいか、戻りたくないか、震災住宅に住みたいなどのアンケートを取って、新しく街を作り直している最中だ。2015年5月30日には、JR仙石線が全線復旧。復興へと少しづつ前へ進んでいる。

被災した方のお話はとても重く、普段の生活で辛く苦しいことばかりで、楽しいことなんかないと嘆いていた自分を恥じる瞬間でもある。

訪問した資料館で、ビデオを拝聴した。
その中で、大変印象に残る言葉があった。それが「立ち直る力」である。

この東松島市は海苔養殖が盛んだったが、震災とともに機材や施設が全て流され、もう1度海苔養殖をするためには、1億円かかるといわれた。「もう無理だ」そう思ったが、「このままでは東松島の海苔が廃れてしまう」「東松島の海苔を忘れてほしくない」そう願う人たちが集まって立ち上がり、出来ることをやろうと全国の人たちに復興を呼びかけた。その甲斐あって、無事再スタートまでこぎ着けた。

大事なものは「立ち直る力」そして、「何かやろうと思った人を後押ししてくれる力」だという。
「何もなくなった土地で、助け合うことが大切だということが分かり、この震災に感謝している。」そう話している方もいて、このような状況でもポジティブな感情が引き出されるのだと、衝撃をうけた。
私はこの経験から、楽しいと思う感情と楽しむ感情は意外と似ているのかもしれないと気が付いた。

毎日が、辛く苦しい。
「あの人楽しそうだな」とか「私ばっかり毎日つまらない」という感情を感じたことがあるだろう。
しかし、その逆境を「楽しむ」という力で「楽しい」に変えてみてはどうか。
どんなに他人を羨んでも自分以外の人間にはなれない。それなら、精一杯「自分」を楽しんでみようではないか。自分のステージでどう頑張るか、輝くは本人次第なのだ。

1番辛い時に1番必要なもの。
それは自分の心でつくれるのだ。

伊藤華英

伊藤華英

伊藤華英いとうはなえ

競泳オリンピアン(北京/ロンドン五輪 水泳女子日本代表)

べビースイミングから、水泳を始め、15歳で日本選手権に初出場。女子背泳ぎ選手として注目される。2008年日本選手権女子100m背泳ぎで日本記録を樹立。初めてオリンピック代表選手となる。その後、怪我によ…

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