2017年05月15日

世代間ギャップを埋める上司と部下のコミュニケーション

いま、上司と部下の間でのコミュニケーションの難しさがよく言われています。一般には「世代間」ギャップと表現されます。上司は「見て覚えろ」的なスタンスを取り続け、部下は言われるまで動かない。そこで上司は「やる気がない」と思い、部下は「ちゃんと説明をしてくれない」と嘆く…この悪循環の繰り返しです。これは、お互いのコミュニケーションの取り方が違っているだけですので、上司側が、いまの若者に合わせたスタイルをとる必要があります。もちろん、中にはこれに当てはまらない若い人(そんな部下を持った上司はラッキーです)もいますので、一般的な傾向として話を進めさせていただきますので、ご了承ください。

≪関係作り≫
 「教える」という行為をする際、まず事前の関係づくりが欠かせません。人間関係なしにいきなり仕事の指示を出しても動いてはくれないでしょう。それには、積極的にこちらからかかわること。自分から胸襟を開き相手との共通点を探りましょう。出身地、趣味、好きな番組などなんでも結構です。人は共通点が多いほど、相手に対する安心感が大きくなります。

 二つ目は、ある部分でのプライドを捨てること。ある部分とは「自分から降りていく」ことと、「自分の失敗を語る」ということです。いまの上司(40代以上)の世代は、「聞きたいんならそっちから来い」という教え方をされてきているので、ついそのように部下にも接しがちですが、彼らは上司の邪魔をしやしないかと気遣うあまり、自分から話しかけることなどは、かなり勇気のいることです。ですので、上司自ら時間をつくり、相手に「来てもいいよ」とドアを開けてあげる必要があります。そして自分の失敗談を多く語ってあげてください。「自分も入社したてのころ、実はこんな失敗をしでかしてね…」と。いまの若い人たちは、失敗することをとても恐れています。なので、上司が過去の失敗談を話してあげることで、「そうか、この人にもそんなことがあったんだ」「そんな恥ずかしいことを自分に話してくれた」と安心することができるのです。そしてこの安心感は上司への信頼にもつながります。

世代間ギャップを埋めるコミュニケーションのポイント

≪合理性≫
 ひと昔前は、長く続く会議や突然振られる仕事も「まあ仕方がないか」と思いつつ受けていた新人たちも、最近では無駄と思うことや理由が不明確な作業についてはやりたがらないという傾向が顕著にみられます。何かを教えるときも「なぜ、この作業が必要か」「このスキルはいまのタスクにおいてどんな意味があるのか」という理由づけをしっかりとする必要があります。

 仕事に対する忠誠心が少し足りないように見えても、自分のことは大事にするのがいまの若者の特徴です。ですので、「これを身につけることであなたにどんなメリットがあるのか」という点を強調すると、話を聞くモチベーションもがぜん変わってくるはずです。ここは上司の腕のみせどころですが、部下がやらなくてはいけない仕事と、本人にとってもメリットを結びづける絵を描いてあげる工夫が必要です。「いま電話での飛び込み営業はきついかもしれないが、将来管理職になったときにその度胸は必ず役に立つから」と説けば、「自分のためになるなら頑張ってみようかな」と思ってくれるかもしれません。

「教える」という行為は、相手がいてはじめて成り立つものです。昔はただ、そのスキルだけを教えていればよかったのが、いまはその背景や理由、相手のメリットを考えて話をしなければ、価値観の違う相手には伝わりません。これを機会に、ぜひ部下とのコミュニケーションの取り方を見直してみてください。

 次回は、「教え方の枠組み」についてお伝えします。どうぞお楽しみに。