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2016年09月15日

人が育つ環境

 植物が育つには土や水、日光が必要なように、人が育つために必要な環境というものがあります。せっかく優秀な人材を獲得しても、その人物をきちんと育成する環境がないために、宝の持ち腐れになってしまっている企業が多く見受けられます。いったいどんな環境があれば、人は育つのでしょうか。

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 一番基本となる枠組みは「監督者、タスク、フォローアップ体制」です。監督者とはこの人物の育成の責任を持つ人で、通常は上司になりますが、可能であれば、仕事上の上司のほかに、育成担当者を置くのが望ましいでしょう。多くの現場をみますと、現実問題として現場の上司に仕事と育成を任せるのは無理があり、ここは思い切って育成担当マネジャーを置き、その人物が社内スタッフの成長をフォローする、という分業をとったほうが、長い目でみればプラスになると考えます。

 次に部下に与えるタスクを用意するのですが、タスクについていくつか注意点があります。このタスクは、本人のレベルよりも少し高めの目標を設定しましょう。これは人のやる気は、今の力でできることや、遠すぎて手の届かないところに目標をおいても頑張れないという目標設定理論に基づいています。そして、本人にある程度自由にやらせる裁量権を与えましょう。モチベーションの研究によれば、人は、自分にある程度の裁量権を任されると、やる気を出すという結果が出ています。相手を信頼して任せるということが、人の成長に大きく寄与します。また、何か失敗をした場合、その責任は上司が負うことです。失敗をしてその責任をすべて部下におしつける上司がたまにいますが、こうした環境は、部下を委縮させ、本人の成長にはマイナスとなります。

 最後にフォローアップ体制ですが、これは定期的に部下と面談をし、必要なアドバイスやフォローをするしくみのことです。仕事を投げっぱなしでは人は育ちません。仕事を任せ、あとは放っておき、問題が起きてはじめて「なんでもっと早く言わないんだ!」と怒る上司はたくさんいますが、そうなる前に、枠組みとしてこのフォローアップを入れるべきです。

 以上が枠組みについてですが、そのほかに、頑張れば報われるフェアな評価システム、一定の成績をおさめた人をみんなの前で表彰する場やご褒美の旅行や研修など「ここで頑張れば周りに認められる」という期待感の演出も大切な要素です。とくに表彰の場については人々の「承認欲求」を満たし、非日常的なイベントが年1回にでもあることで、マンネリ化してしまう時間の流れをリセットする効果もあります。

 ここまでは、会社の上司やマネジメント側がする作業の話でしたが、現場のチームメンバーにもやるべきことがあります。それは「周りのサポート」です。わからないことはすぐに質問できるムードがあること、そしてうまくいったら皆でそれを承認し、失敗しても励ましてくれる人間関係があることです。いまの20、30代の人たちは、一見、人との関わりが苦手なように思われていますが、じつは職場の人間関係をとても重要視しています。仕事のやりがいのほかに、働きやすい環境に居続けたい、という価値観が重要視されていきていますので、上司だけでなく周りのチームメンバーの協力も不可欠といえるでしょう。

 いかがでしたでしょうか。人が育っている企業は、それなりの場づくりに手間暇をかけています。担当上司一人の力量に依存せず、会社のしくみとして、入ってきた人材が成長できるような取り組みをぜひ行ってください。

次回は「どうすれば自発的人間になれるのか」についてお伝えします。どうぞお楽しみに。

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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