2018年02月15日

今の若い人から上司に望むこと

さて、このテーマでの記事も残すところ二回となりました。これまで上司の側からいろいろと考察してきましたが、実際教えられる立場である若い人が、いったいどんなことを思っているのでしょうか。それについて今回は書いてみたいと思います。これはある20代の若手のO君に聞いた実際の話です。

信じて任せる
「前の職場では、マンションの管理業務に携わっていました。新人のあるとき、先輩からとあるマンションの管理組合総会の進行を任されたんですね。僕としては初めてのことでしたし、もちろん経験もないのですが、自分なりに一生懸命準備をして総会に臨んだのです。ところが途中で、その先輩が「お前のやり方は全然ダメだ」と言って、途中から先輩が進行を変わってしまったんですね。住民の皆さんの前でもあったし、僕としては最後までやらせて欲しかったんです」

この先輩は、お客様にとって万全なサービスを提供できていない、と思ったのでしょう。彼の人格や外聞などはいっさい考えず、自分がとって代わったのでしょうね。先輩の考え方もわからないではありません。ただ、部下を育てて教える、という立場から見ると、この対応は最善ではありませんでした。

やり方に納得できないなら、事前にチェックをすることもできたはずです。また彼に進行を任せつつ、コメントをはさんだりして軌道修正もできたはずです。また100%NGだったわけではないでしょうから、よかったところを褒め、修正すべき点を教えてあげれば、彼にとってはとてもよい経験の場になったはず。いきなりマイクを奪われ、準備した苦労も認められず、彼の落胆はいかほどばかりだったか…。こうした上司は昭和の時代には確かにいましたが、いまこうした指導をしていては誰もついてこないですね。

このエピソードからの学びは「信じて任せる」ことです。人を育てるうえで、相手を信じて任せることほど難しいものはありません。特に新人に仕事を任せるのには勇気も入りますが、時間と準備もいります。できるだけ部下に成功体験を積ませるよう、リハーサルを何度もしたり、ポイントをアドバイスしたり…。これは本当に部下を育てようと思っていないとできないことですね。

あと、ほかの若者に聞いた意見などでは、「聞いた質問に”あとで”と言ってそのままにしないで、ちゃんと答えてほしい」「先輩のほうからいろいろと話しかけてほしい」といった声もありました。昔は「やる気があるなら自分から聞いてこい。聞いてこないのはやる気がない証拠」とかいう不文律がありましたが、これも過去の遺産、いまは通用しないと思ったほうがよいでしょう。

ライオンの子育てに学ぶ
ライオンの子育てというと「崖から子どもを突き落とし、這い上がってくるのを待つ」、そんなイメージがあるかと思いますが、実際にはそんなことはなく、落ちたら助けるようです。そればかりか、大人のメスライオンは獲物役になって子どもたちに狩りの仕方を教えるそうです。ライオンの世界でも成功体験を積ませる努力をしているのですね。

今回、若い人から直接意見を聞いてみましたが、私なりにポイントを3つまとめてみした。

川村透

次回は最終回、「生産性が10倍上がる部下の教え方~まとめ編」をお送りします。