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2009年12月04日

肩書きを変えれば自分が変わる

 僕は、チームビルディングの研修に一参加者としてよく顔を出していますが、この前おもしろいことがありました。パイプラインというゲーム(制限時間内に道具を使って目的地までボールを運ぶ。10数名のチームで行います)をしているとき、ファシリテーターがいきなり「じゃあ、~さんが社長。~さんが部長ね」と、勝手に役割を割り振ったのです。もちろんはじめて会ったもの同士。普通、リーダーがなかなか決まらず、皆が勝手にいろんなことを言い出して、うまくまとまらないこのゲーム。ところがあら不思議。天の一声で「社長」と任命された男性は、「よし、じゃあまずみんなこっちきて」とその場を仕切りだし、それにつられて周りの参加者も「はい社長」と自然に彼に従うという、なんともおかしなことが起きました。やはり『立場が人をつくる』とはよくいったもので、その立場におかれると、人はそれにふさわしい役割を演じようとしているうちに、やがて自分の器も育ってくるのでしょう。若い二代目が親の後を継いでいきなり社長になっても、やがて何とか切り盛りできるようになるのもまさにこの立場が人を育てる効果のおかげ。

 ということは、この効果、ちょっと応用できるはず。つまり、「肩書きを利用して自分を変える」のです。

 あなたはいま、おそらく「営業課長」「経理部長」など、会社の肩書きにそぐう自分になろうとしているはず。ならば、もしあなたに「代表取締役」という肩書きが与えられたら?きっとそれにふさわしい自分になるはずです。思考、決断力、歩き方そして話し方まできっと変わるでしょう。実際、僕自身、最初の会社を辞めるときは「シニアコンサルタント」、次の小さい会社では「業務部長」、そして独立したら「代表」と、会社が小さくなるたびに偉くなりました(笑)。でも、笑いごとじゃなく、肩書きに応じて、自分の意識が変わっていったのをハッキリと覚えています。

 肩書きは、与えられるものではなく、自分を変えるためのもの。だから、自分が興味のあるものや、自分がなってみたい立場、役割のタイトルを勝手に自分でつけてみる。たとえば、会社の肩書きが「総務部 企画課」でも、会社の文化事業に興味があるなら「文化事業プロデューサー」としたほうが、俄然やる気がでるはず。これは名乗ったもの勝ちで、それが周りに浸透してくると、その道の専門家として見られるようになっていきます。肩書きって本来ワクワクするものじゃなきゃ。

 この肩書きの効用は、以前拙著「なぜ、逃げた犬は追ってはいけないのか」にも書きましたが、今回の体験で、その効果をあたらめて実感した次第です。

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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