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2018年03月16日

応援してます!就活生

3月1日からの企業の情報解禁日を受け、お決まりのスーツに身を包んだ就活生を街で見かけることが多くなりました。緊張した面持ちで、説明会やOB訪問などに回っているのであろう姿に、頑張ってるね!と声をかけたくなってしまいます。

期待と不安に胸いっぱいで、ピュアで一生懸命な、でも無限の可能性がある、そんなかけがえのない素敵な時期ですよね。

しかし、そんなのんきなことを言っていたら不謹慎だと怒られてしまいそうな位、今の就職活動は大変なんだそうです。皆が一斉に、短い期間に何社もエントリーして応募しなければならず、ゆっくり考える暇もない中で、複雑なエントリーシートの作成、一般常識などのテスト受験、企業説明会の参加も必須だったり等、求められることも多種多様。

こんな日本の就職活動って本当におかしい、もう就活うつになってしまいそう、という相談が全国の大学の相談室に寄せられており、私も受けることがあります。確かにとても大変そうで、今後のキャリアを決める大切なことなので、もっとゆっくり考えさせてあげたいな、と感じます。しかし、とは言ってもすぐにルールを変えてもらうことは不可能なので、とにかく健康第一に、かつ積極的に就職活動に参加できる様、一緒に考えています。

まず基本的なことですが、

1.睡眠時間はきちんと確保し、食事はきちんととること。今の制度だと、自分が頑張りさえすれば一人何社でも応募できるので、真面目で頑張り屋さんのタイプほど、徹夜でエントリーシートを書いたり、立て続けにOB訪問を入れたりと、あまりにも無謀なスケジュールを立ててしまいがち。勿論頑張りどころではありますが、就活はその後も面接などが続き、長丁場なので、夜も何時までやる、と時間を決めて最低限の睡眠時間を確保すること。

2.頭で考えるだけでなく、自分の五感を最大限働かせて活動すること。情報を集めることは大切ですが、ネットの情報にあまり振り回されすぎないこと。会社に行って自分の目でその会社を見てみること、その会社の人から話を聞いたり、実際に作っている商品を見てみたり。そういう中で自分が感じることで見えてくることがあります。

3.ご両親など周りの人の言葉をプレッシャーに感じすぎないこと。ご両親は愛する子供が幸せな気持ちで働ける道を見つけてほしいと願っているだけです。そのためにアドバイスできれば、と思っているだけで、この会社に入ってもらわないと困る、などと押し付けている訳ではないことがほとんどです。こういう会社もあなたにあっているのでは、というアドバイスを「期待」に感じて重く受けとめすぎてしまっている例が多くあります。

また、最近の就活の詳細を知らない場合、就活くらい対応できないなんて甘い、などのコメントをされる方はたまに存在します。今の時代の就活を知らないんだな、と受け流してください。そういう場合は、大学の支援室などで時には愚痴ったり、話を聞いてもらうのもよいと思います。

4.今は就職うつの情報も含めて、ネガティブな情報が出まわり過ぎ。確かに大変ですが、始まる前から就活に不安を持ちすぎているように思います。不安もあるでしょうが、こんな会社に働きたいな、ここでこんな仕事をやってみたい、と考える楽しい時期でもあります。結果を考えて不安になりすぎることなく、ポジティブに捉えてチャレンジしてみてください。

私の就活を少しお話しすると、私はそれまでの人生で、まあ自分が何となく、ここなら入れるんじゃないか、選ばれるんじゃないか、という道を選んで生きていました。それはそれである程度自分にもあっているし、それなりに楽しかったのですが、どこかで満足できていない自分もいました。就職活動の時に、これは自分にはかなり難しいけれどどうしてもこの会社に入りたい、という会社に出会ってしまい、人生で初めて、かなり大きなチャレンジをすることになりました。絶対に入りたい、という会社だったので、OBに色々話を聞いたり、入れたらこんなこともしたい、あんなことも出来たら、と考える作業はとても楽しい作業でしたが、半面、こんなに入りたい会社に入れなかったら…と考えてしまうと、かなり怖くなりました。

なので、こんなに入りたい会社なんだから、絶対に入るぞ、と思い、じゃあもっともっとこの入りたい気持ちをちゃんと伝えられるように、自分の考えを言語化し、より伝わりやすくする方法を考えようと思いました。それに加えて、なぜ入りたくて、入社したらどんなことがしたいのか、これまでの自分はどんな人間で、どんな部分をこの会社で活かしたいのか等、どんどん考えることが出来、最後の方は、入れなかったら…と考えている暇がない位、伝えたいことでいっぱいになりました。それが良かったのだと思います。入社することが出来、そこでの経験や出会いは、今も人生の宝になっています。

実は心理学を勉強してわかったことですが、脳科学的にも人は脳がイメージしている方に引っ張られます。なので、ダメだったらどうしよう、ではなく、入りたい、入りたいことをわかってもらうためにどうすればいいか、入ったら何をしたいか、入ったら自分のどのようなところが活かせるか、など入ることばかりイメージしていたのが良かったのだと思います。

好きになればなる程、振られるのが怖くなるのと同じで、入社したいと思えば思う程、入れなかったらどうしよう、と思ってしまうものですよね。でも怖がらず入社したい、したらこうしたい、というイメージを持って、それをわかりやすく伝えることに尽力してください。それを徹底的にやったら、最後に思い出してください。実は就活って、絶対一人ではできないことを。時間を割いて会ってくれるOBや、会社のことを細かく説明してくれる人事担当者や、そんな会社を作ってきてくれた人々、励ましてくれる周りの人々…。その人達がいてこそ、やりたいことが見つかり、入りたい会社が決まり、チャレンジできることへの感謝。そんな気持ちで臨んだ結果、もしその会社には縁がなかったとしても、必ず自分にあった会社と縁がつながります。

私も就活したのはもう何十年も前ですが、あんなに何かに対して本気で一生懸命になったことはなかったので、今でもすぐに思い出すことができます。あの時に色々と会社のことを教わったり、働くとはどういうことなのか、様々な方から伺うことができました。今でもとても感謝していますし、あの時にじっくり自分と向き合った経験は、とても貴重で大切な時間だったと感じています。

就活生の皆さま、どうか健康第一で、自分を信じて逃げない、感謝の就活を。心から応援しています!

渡邊洋子

渡邊洋子

渡邊洋子わたなべようこ

公認心理師

大学卒業後、株式会社博報堂に入社し、ラジオ局、新聞局で勤務。ラジオ局ではFM局の番組のスポンサー業務を、新聞局では読売新聞担当として新聞広告業務に携わる。その後出産のため退職し、専業主婦を経験。200…

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