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2009年12月04日

読者モデルが教えてくれたこと

最近、女性の結婚詐欺から男性が不審死するという
驚くべき事件が相次いだ。
タイトルが「女の時代サバイバル」だからといって
「結婚詐欺から身を守る方法」は残念ながら専門外である。
あしからず……。

「読者モデル」(読モ)という言葉を聞いたことがあるだろう。
雑誌に登場する素人モデルたちを、こう呼んでいる。
いつのまにかファッション系、ビューティ系の雑誌には必ず
この「読者モデル」が誌面を飾るようになった。
プロのモデルさんたちより身近な存在として
いまでは名前を知られるようになった読者モデルも多い。

私が「JJ」の編集を始めた頃、この言葉はメジャーではなかったし
「JJ」の特徴を表わす代名詞のようなものであった。
元々、ファッション雑誌にはプロのモデルさんが
洗練されたファッションで登場するのが普通であったが、
「JJ」は「業界の情報をそのまま発信しない雑誌」であり、
実際に女子大生が街で着ているファッションを取材して、
女子大生たちの情報を取り上げる。
当時は変わったファッション誌であった。

そこで生まれたのが「ハマトラ」であり「サーファー」!
「ハマトラ」は横浜の女子大生たちが
元町商店街で買い揃えたファッションを法則化したもの。
「サーファー」とはサーフィン好きな女性たちから生まれた
小麦色の肌に似合うファッションスタイルである。
フィラ、タッキーニといったテニスブランドのポロシャツを街着として
流行らせたのも、この当時の女子大生であり、「読者モデル」たちであった。

これらは決して「業界」が流行らせようとして流行ったものではない。
ましてタレントやプロのモデルから流行ったものでもない。

私たちは「読者モデル」つまりお客さんの近くにいて
お客さんの「声」をメディアに取り上げることを生業としてきた。
「茶髪」も「公園デビュー」も「シロガネーゼ」も……。
すべてはこうして生まれてきた。

いま「読者モデル」が一般化してみると
この言葉が形骸化していることが残念でならない。

いつのまにか
「プロのモデルではない可愛い女の子」
あるいは
「素人のモデル」
に、なってしまった。

プロのスタイリストに服を着せられている可愛い素人、
彼女たちに情報はなく、
流行も無理やり雑誌が作ろうとしているようにしか見えない。

いまの読者モデルはタレント予備軍みたいなものである。

お客さんたちと気持ちが遊離した雑誌の売り上げが急降下しているのを
見るにつけ、悔しさと無念さでいっぱいになる。
お客さんたちの姿を、本当の意味で表現できたら、
消費行動も、需要と供給の関係も
正常化できるはずである。

このデフレスパイラルを抜けるために必要なこと、
それは、お客さんの「真の望み」を「感じる」ことである。
本来の「読者モデル」を取材することなのである。

相沢正人

相沢正人

相沢正人あいざわまさと

キラー・コンテンツメーカー

1957年東京都生まれ。 成城大学文芸学部芸術学科卒業後、(株)光文社に入社。「茶髪」「公園デビュー」「シロガネーゼ」など生活する街に根ざした数々のヒット企画をネーミングと共に展開。同時にモデル発掘…

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