2009年02月25日

親子の変化、嬉しい事例を紹介

Aさんの息子は中学生、毎日部活動に頑張っています。毎年大きな大会があるので、優勝を目指して、息子は燃えているようです。朝練習のため早朝から家を出て、帰宅は夜9時近くになります。親としては、息子が部活に頑張る姿を見ているのは、それなりに頼もしくも思えるのですが、部活に燃えるにしたがって成績がどんどん下がっていくのでは黙っていられません。

小学生の頃は、一緒に勉強をみてあげていました。でも、さすがに中学生ともなれば、そんなことは無理です。親に勉強をみてもらうなど、子どものほうが嫌がります。「勉強をしなさい」と言っても、以前のように集中している様子は見えません。
何とかしなければ...そんな思いから、Aさんは親業の講座に通うようになりました。

「子どもがちゃんと勉強をするようになるにはどうしたらいいのですか?」
講座を受けにいらっしゃる方達からよく出る質問です。そんなとき、私の答えはいつも決まっています。「残念ながら特効薬のようにすぐに効く対応法は私も知りません」

大事なことは、子ども自身が自分で考え、やる気を起こすことです。
勉強ばかりでなく、部活にも、遊びにも、食べることにも、ゆっくり休むことにも・・・前向きに一生懸命生きる!それを可能にする対応法が【親業(ゴードンメソッド)】です。

講座を受け始めたAさんは、2ヶ月間の講座で学んだことを、家庭で少しずつ実践していきました。これまでこのコラムでご紹介してきたいくつかの方法、サインを見つけ、子どもの気持ちに目を向け、能動的な聞き方をし、もちろん【わたし】を主語に語ることも。

講座の最終日、Aさんはこんな体験を話し始めました。
私の対応が変わったせいか、息子は以前と比べると、勉強をするようにはなったのですが、成績は上がらないんです。なんだか、それがかわいそうで・・・。だから、思い切って言ってみたんです「最近のあなたは一生懸命勉強しているのに、成績があがらないから、かわいそうだな~って感じているの・・・」って。そうしたら息子ったら、こんなことを言ったんです。 「もう、慣れたから大丈夫」だって~! もう、やんなっちゃう!! 講座は今日で終わっちゃうし、これでいいのかしら・・・不安だわ。

それを聞いた私は、最後の言葉としてこんなことを言ってお別れしました。
あらら、せっかく言ったのに「慣れた」なんて言われちゃったのでは、がっかりね。でも、息子さんには『母親が、僕のことで胸を痛めている』ってことは伝わったと思うわよ。

さて、それから2ヵ月後、Aさんからこんなご報告をいただきました。
「鈴木さん! 息子の成績、上がったんです! しかも、学年で40番も! まだまだ以前よりは下のほうですけど、今、息子は部活も、勉強も頑張っています。なんだか大丈夫って気がしてきました。」

親業で学んだ対応法を日々実践することで、子どもは『子どもの気持ちに目を向けている親』を実感します。
「僕のことをしっかり見て、僕の気持ちに目を向ける努力をしている親が、僕のことで胸を痛めている」と知ったら、子どもは考えるでしょう、親に心配をかけさせないように、と。 だって、子どもは 自分をしっかり見てくれる親のことが好きなのですから。

※ここで読者の皆様にちょっとしたヒントをお知らせしておきます。
【わたし】を主語にする表現は、そう単純なことではありません。
「勉強すればいいのにって思うのよ」「なんで勉強しないのかなって思うのよ」
どちらも【わたし】が主語になっているのですが、この言い方では、子どもは親を『イヤミな親』と感じるかもしれません。
どうか、皆様がこのような言い方をなさらないように心から願っています。