2008年10月25日

子どものサインを受け取ったなら

子どもが何人かいると、必ずと言ってもいいほど姉弟ゲンカが起こります。
子ども達のケンカをほほえましく見ていられる間はいいのですが、
それが日々くり返されると親は『ああ、また始まった』とイライラしますね。
今回は姉弟ゲンカの最中に子どものサインを受け取り、能動的な聞き方をした事例をご紹介します。
(名前は仮名にしてあります)

自分の持ち物を弟に勝手に使われた姉が怒って、弟と姉弟ゲンカが始まっています。

姉 太郎!お姉ちゃんのもの、勝手に使わないでよ!
弟 だって、使いたかったんだもん!
姉 お母さーん! 太郎が何も言わないで私のもの勝手に取ったんだよーっ!!
母 黙って持って行かれて花子はイヤだったんだね
姉 そう、イヤだ! 太郎、貸してって言わないもん! キライッ!!
母 貸してって言って欲しかったのに、言ってくれないから嫌いになったんだね
姉 ・・・・本当は嫌いじゃないよ、弟だもん・・だけどさぁ・・・勝手に持ってって使ったのに、
  「ごめん」も言わないんだよ
母 謝って欲しいんだね
弟 (黙ってこの会話を聞いていたが) ごめんね・・・ (と、一言)
姉 ・・・いいよ。 嫌いって言ってごめんね。でも、今度は貸してって言ってね
母 仲直りできて良かったね

そして母親はこんな話を続けました。
これまで私は、姉弟ゲンカの時には、どちらかの味方になるわけにはいかないと思って、
両方を怒っていました。その結果、当然二人とも泣くことになります。
二人が泣けば私はさらにイライラして・・・本当に姉弟ゲンカはイヤでした。
花子に対しては、弟に優しくできないことや、すぐに私に言い付けに来ることも腹立たしく感じていました。ケンカが始まると太郎も意地を張り続けるし・・・。
でも、親業を学んでから、親がどちらか一方の味方になることはもちろん、裁判官になることも、
まったく無意味なことだったんだとはっきり実感しました。

花子が私の所に言い付けに来たとき『あ、サインだな』って思って、
私、なんとなく花子の気持ちが受け取れたんです。そうしたら、すんなり能動的な聞き方ができたし、
こんなに簡単に仲直りができるし、もうびっくりです!
私の子ども達は自分から素直に謝れるんだってことを初めて知ったような気がします。
本当にかわいい子ども達です。

この体験を話した後、母親は「今までの苦労は一体何だったのでしょうね」と言いながら
嬉しそうに笑っていました。

この母親は、子どもを傷つけたくないとの想いがあるからこそ、どちらかの味方をすることをためらい、
その結果、子どもばかりか親である自分までもがイライラしていたのです。
自分のイライラの原因を作った、弟に優しくできない姉、意地っ張りな弟。
日々このようなことがくり返されていれば、子育てにうんざりしてしまうでしょう。

親の接し方を変えたとき、「謝りなさい!」と言わなくても、
自分から進んで謝っている二人の姿を見ることができたのです。
母親がどれほど嬉しく感じたか、想像が付きますね。

この事例で母親は、姉にだけ能動的な聞き方をしています。 
能動的な聞き方がさらに身に付き熟練してくれば、同時に弟に対しても、
能動的な聞き方が出来るようになるでしょう。
そうなれば、子どもたちの喧嘩はもう怖くない! イライラともさようならですね。

※ 能動的な聞き方についてはコラム(3)(4)でご紹介しています。