ご相談

講演依頼.com 新聞

コラム 教育

2013年02月20日

花月の花の心意気

 春隣といえども、まだまだ寒い日が続き暖を求めたくなる。
そんな凍てつく寒さにも負けず、自分の使命をまっとうしている木々や花々がある。人は、自然から気づきや学ぶことが多くあるように思う。それを気づくか気づかないかによって、学びの歩みが違ってくるように思われる。

 昨年の猛暑で、根が腐ってしまった一本の花月の木がある。小さな鉢植えの木が大きく成長し、毎年小さな白い花を楽しませてくれた。そんな木々の成長は、自分の歩みの歳月でもあった。何とかその木を助けたく思い、大きなバケツに水をはりそこに入れて新しい根を出すことを試みた。冬のさなか根を伸ばすことは非常に難しく、本当に少しずつの進歩であったが、諦めきれず成長を見守り続けてきた。寒風に葉は赤くちじれ痛々しい状態であった。そんな木に私はいつも声をかけた。頑張っている姿がとてもいとおしく、そしてすまなくて毎日声をかけ続けた。
 そんなある日、赤くちじれた葉の間に花のつぼみを見つけた。目を凝らしてよく見ると、他の赤くちじれた葉の間にも薄いピンクのつぼみがついている姿があった。水の中に置かれている状態で、木自体を生かせるかどうかの状態の中で、生きることを決して諦めない姿がそこにあった。瀕死の状態の中で、寒さや痛みに耐え、最後の最後まで諦めずに命を紡いでいた。私はその姿に、自然と涙が頬をつたわり思わず頭を下げた。意志のある生命力とは凄いと思った。

 今受験生や、就職試験はたまた仕事の上で頑張らなければならない状態に置かれている方々が多い時期だと思う。不安や辛さに心が折れそうになることも多いかと思うが、どうか今まで歩いてきた自分を信じて諦めずに最後まで頑張ってみて欲しい。
 一流とよばれる選手にも”苦労”を重ねた時があった。過酷な苦しみの積み重ねがあり、一流になった喜びがある。努力する情熱、それを維持するための信念。みにくいアヒルの子が白鳥になり飛翔しようとする時、それは努力をし続けたことの素晴らしさを知るところでもある。今、心の中にある自分の花を咲かせるためにも、自分で自分の勇気を奮立たせてどんな時も諦めずに歩みを進めて欲しい。必ず花は咲くと信じて。
春の足音は、もうそこまで来ています。

春日美奈子

春日美奈子

春日美奈子かすがみなこ

フリージャーナリスト

國學院大學大学院法律研究科法律学専攻修士課程修了。報道畑25年の経験を生かし、少年院や教護院(現・児童自立支援施設)での実習を通し、常に現場の”今”や”生の声”を大切にして、少年問題に取り組んでいる。

  • facebook

講演・セミナーの
ご相談は無料です。

業界21年、実績3万件の中で蓄積してきた
講演会のノウハウを丁寧にご案内いたします。
趣旨・目的、聴講対象者、希望講師や
講師のイメージなど、
お決まりの範囲で構いませんので、
お気軽にご連絡ください。