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コラム 教育

2015年12月25日

親自身の子どもの頃の話を聞かせてあげると絆が深まる

 先生だった頃、私は子どもたちに自分が子どもだった頃のことをよく話してあげました。とくに、人気があったのは私が失敗した話で、トイレに落書きをして怒られたこと、ソロバンの試験に落ちたこと、かくれんぼの最中に肥だめに落ちたことなどは大受けでした。中学生のとき、数学の授業中に教科書を顎でめくって、先生からげんこつをもらった話も大受けでした。

 もう一つ人気があったのは、初恋の話でした。聞いている子どもたちもみんな何かしら思い当たる節があるようで一生懸命に聞いてくれました。

 こういう話は、話し手と聞き手の関係を近しいものにしてくれますね。この人も自分と同じ人間なんだということが分かることで、ぐっと親しみが増すのです。

 ですから、私は、親であるみなさんも、自分が子どもの頃の話をもっとしてあげるといいと思います。みなさんのお子さんは、親であるみなさんが子どもの頃のことをどれだけ知っていますか?ほとんど知らないのではないでしょうか?

 だいたいいつも、「これしちゃダメ、あれしちゃだめ、ああしなさい、こうしなさい」というようなことばかり言っているので、子どもたちはみんな聞き飽きていますよ。

 みなさん自身の物語をしてあげると、親子の親しみがより一層増すのはもちろんですが、それ意外にもいいことがあります。それは、一言で言えば、人間のモデル・人生・生き方のモデルを見せてあげることができるということです。

 子どもたちは人生経験が少ないので、生き方とか人生というものがまるでわかっていません。テレビや本、マンガ、アニメ、小説、伝記などで少しずつそれを学んでいくわけですが、一番身近な親の物語をしてあげるとすごくよい栄養になるのです。目の前にいる実在の人物ほどのインパクトのあるものはありませんからね。

 みなさん自身の物語から子どもたちはいろいろなことを学ぶと思います。お母さんも運動が苦手だったんだ、とわかってホッとするかも知れません。なんらかの教訓も学ぶでしょう。

 こういうとき人間はこう感じるものなんだという、人間の心理も学ぶでしょう。それらの全てが子どもの栄養になります。

親野智可等

親野智可等

親野智可等おやのちから

教育評論家

本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、 学力向上、家庭教育について具体的に提案。 Twitter、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」、メール…

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