我が道をゆく

　師走も半ばを過ぎ、街には真っ赤なポインセチアが目に付くようになりました。冷たい木枯らしが吹く中、このポインセチアを見ると、なぜか心が温かくなります。毎年、一年の最後のこの季節、この燃えるような赤い姿に、今年自分はどんな色をつけ、どんな足跡を残しながら走り続けてきたのであろうかと、いつも考えることがあります。走り続けてきた自分の時間を懐かしみ、頑張らねばならない明日の時間を想います。

　凍てつく寒さの中、葉をすっかり落とした木々たちに、人は誰も目を留めようとしませんが、その枝の先を見るとやがて訪れる春に向かって、小さな芽をつけています。春にはまだ遠く、これから寒い時間を耐えなければなりません。しかし、その姿はそのことを覚悟して、その試練をものともせず耐え抜いてやろうという力強い意思表示にも見えて、思わず目頭が熱くなります。

　新しいものを生み出す前は、必ず努力をしなければならない時があるものです。しかし、どんな時も前を向くことを忘れずにいたならば、耐えて努力した分だけ、大きな美しい花を咲かせることができるものです。

　時代の大きな波にのまれ、ともすれば心が折れそうになり、自分の心を見失いがちになってしまうこともあるかもしれません。そういう時だからこそ、自分はどうしたいのか、どうすることが自分にとって幸せなのかを、心でしっかり受けとめながら、その気持ちをぶれることなく歩み続けることが大切になってくるように思います。

　日々の慌ただしさの中、相手に心を尽くすことがおざなりになることもあるかもしれませんが、今一度、本当に大切なことは何かを考え直しながら、大切な人や事を守っていくことを忘れてはならないように思います。

　日常にある幸せを感じながら、より良い明日を築くために明日を信じて努力を続け、希望を持って自分の信じる道を一歩一歩前進していきたいものですね。

今年一年に感謝。
そしてやがてくる新しい年に、幸多かれしことを祈ります。