2009年09月25日

注目される太陽光発電

 最近、温暖化対策として太陽光発電が再び脚光を浴びて来ました。今回は、太陽光発電の国の内外の動向と将来展望について触れてみます。


【ドイツの固定価格買い取り制度】
 ドイツで普及している「固定価格買い取り制度」は、太陽光発電や風力発電に対して、自家発電した電力を20年間にわたって、通常電力料金の3倍程度の固定した価格で電力会社に強制的に買い取らせる制度です。設置時に補助金は出ません。また、日本のように住宅用のみを対象としてかつ余った電力のみを買い取るという方法ではありません。ドイツでは自家発電した総ての電力を買い取ってくれます。例えば村の人たちが協力して地面に大規模に太陽光パネルを設置して発電し、自分達はその電力を一切使わず全て電力会社に売却しているケースもあります。
 固定価格買い取り制度は、将来にわたり収入の見通しがつきますので、大規模な設備であっても最初の設置資金を金融機関等から得ることも容易で、太陽光などの再生可能エネルギーの普及には極めて有効な制度です。2007年時点で46の国や地域が類似の制度を導入しています。

【太陽光発電、日本動向】
 かつて、日本では住宅用の太陽光発電装置の設置に補助金が出され、導入が進みました。発電して余った電力は、電力会社が買い取ってくれます。このような制度のお陰で日本は、太陽光パネルの生産量および設置量が世界一のときがありました。しかし現在では、ドイツを中心に太陽光発電や風力発電を積極的に推進する政策がとられたこと、逆に日本の補助金制度が終了したことにより、設置量ではドイツが、生産量では中国が世界一になっております。
 再度、太陽光発電の普及を図るべく、日本では設置時の補助金を復活させ、さらに近々ドイツのような固定価格買い取り制度を導入することになりました。現在は計画段階ですが、その内容は、住宅用の太陽光発電で発生した余剰電力に限り、今後10年間、通常電力料金の2倍程度の固定した価格で電力会社が買い取ります。
 住宅用(3~4kW)の太陽光発電装置の設置コストは、約66万円/kWです。設置時の補助金については自治体によって異なりますが、現在、東京世田谷区の場合、2.5kWの装置では60万円が補助されています。

【太陽光発電の課題】
 太陽光発電の課題についても触れておきます。太陽光発電は、夜は発電できませんし、曇りや雨の日、また晴れの日でも朝方や日が西に傾く夕方には稼働率は落ちます。日本では太陽光発電の稼働率は約12%です。因みに風力発電の稼働率は約20%です。
 日本の電力は原子力や火力により安定的に供給されています。この電力系統に太陽光発電を連係させる場合、5%程度が限界です。
 また、原子力や火力の電力原価がkWhあたり約6円で、太陽光では約20円です。太陽光発電は固定価格買い取り制度が無い限り、経済的には広く普及し得ない発電装置です。


 日本では太陽光発電は住宅用を中心に進められてきましたが、今後本格的に地球温暖化に対応していくためには、現行のドイツなみの制度の早期導入も予測されます。そうなった場合は、一層積極的に太陽光発電装置の設置が推進されるでしょう。これからドンドン変化する日本の動向を的確に見極めつつ、皆さまには太陽光発電について機敏に対応されることをご期待致します。