これまで多くの企業を講演させて頂きましたが、その中でよく伺う相談内容の1つとして、「世代間のコミュニケーションギャップ」があります。
いわゆる「ゆとり世代」と言われる20代の若手社員に対し、リーダーの立場である40代~50代とのコミュニケーションにおいて、価値観の違いから、上手くコミュニケーションが取れないケースが多くなっているようです。
ゆとり世代の特徴として挙げられる主な3つの要素は以下のような傾向のようです。
1. 怒られることに慣れていないため、ストレスをコントロールできない
2. 仕事のやり方も受け身体質。自分からは積極的に動かない。
3. プライベートを優先し、会社の飲み会などには参加しない。
確かに私の世代とは明らかに仕事に対する考え方や会社への帰属意識が違います。
恐らく、この世代は自分から何かを仕掛けることに、むしろリスクの方を強く感じているのでしょう。ですから、仕事も受け身ではなく、積極的に動くことでどんな良いことがあるか、メリットがあるのかを上司が身をもって示したり、言葉で伝える必要があるかも知れません。
ただ、「ゆとり世代」に限らず、年代が違えば必然的に会話の内容も変わることは当然のことだと思います。育った時代が違うため、思い出の歌も、観た映画も、流行についても全て違うからです。
そこで私からのアドバイスとして、その世代間の違いを楽しんでみるのはいかがでしょう?
お互いの価値観を認め合うことに繋がります。
「自分が子供の頃はこんな映画が話題だったけれど、今は○○な映画が人気なんだね。今度観てみようかな。」という感じで、部下の世代がどんな趣向をもっているのか、興味をもっているのかを知り、関心を示すことから始めてみると良いと思います。
価値観というのはそう簡単に変えられるものではありません。それよりは、相手の価値観を認める方が人間関係を円滑にする上では早い方法だと考えます。もちろん、部下に注意しなければならない場面もあると思います。その場合には、「それは違う!」と真っ向から否定するのではなく、「それはどういう考えからかな?」と相手の考えを聞いてから、理解を示した上で、「もし自分だったらこうする」という経験に基づいた話をすることで相手に気付きを与え、行動を変えることが出来る場合もあります。
またアドバイスや指摘をする際には「ちょっと」「少し」という言葉を補うと、柔らかい表現に変わります。例えば「それは矛盾していると思う」と言うのと、「それはちょっと矛盾していると思う」と伝えるのとでは、相手の受け止め方が違ってきます。言葉は工夫次第で、相手に与える影響が変わるものです。
その他、コミュニケーションツールとして、例えば出張の際の「お土産」も工夫しながら上手く活用すると良いと思います。「あの上司はいつもセンスの良いお土産を買ってきてくれる」と部下に楽しみを与えることも出来ますし、会話ネタとしてコミュニケーションにも繋がると思います。現地でしか手に入らないお土産や、特に最近では健康志向も強いため、女性には「美容に良い」とされるスイーツなども喜ばれるでしょう。
会話のネタは、日常のあらゆる所に転がっています。その情報をどのようにキャッチするかは、自分がどう興味や関心をもつかによります。
どんな世代にも柔軟に対応できるコミュニケーション力の幅を広げるためにも、私自身、常に自分から新しい情報を発信したり、提供できるように、日々の小さな発見や感激を大切に過ごていきたいと思っています。
牛窪万里子うしくぼまりこ
元NHKキャスター
大学卒業後は大手飲料メーカーに就職。話し方やコミュニケーションの大切さを実感し、本格的に勉強し始めたことをきっかけにNHKキャスターに転身。「おはよう日本」、「首都圏ネットワーク」等に出演し、これまで…
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