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2019年04月20日

自分の「強み」を何個言えますか?

 前回は、株式会社タニタの事業承継のポイントとなった「強みの活用」について書いてみた。今回は実際にどのように「強み」を探すのか?について、講演会や研修でも触れている内容を述べてみたい。組織や個人の生産性を上げ、関わる人達を幸せにするためにも「強みの活用」について考えるきっかけになれば幸いである。

 今このコラムを読んでいる皆さんは、ご自身の強みをどれくらい理解しているのだろうか? 先日も経営者ばかりが集う会にて「自分の強みが一つ以上言える人は挙手下さい」と、約200名の参加者に伺ってみた。「絶対に当てて発表頂くようなことはありません!(笑)」と伝えているのだが、手が挙がったのはわずか10名程であった。発見できていないものを活用することはできない。つまり「強みの活用」について考える前に、当然ながら「強みの発見」についてのトレーニングが必要ということである。我々はどれだけ日常や職場の中で、自分や接するチームメンバーなどの強みを意識しているのだろうか? 事業承継であれば、先代や後継者の強みは把握できているのだろうか? 自分の強みをそのまま後継者に学ばせようとしていないか? 先代の強みばかりを見て、自分の強みを疎かにしていないだろうか。強みを見つけるのは思っている以上に難しい。

 例えば、研修や講演を一緒に作っている仲間から、私自身はこんなフィードバックを受けたことがある。「谷田さんは、短い時間で人の心をオープンにして、打ち解けられるんだよね。これって、学んでも簡単にはできないんだよなぁ。」言われた私の反応は、「そう?」「いや、普通だよ。」「みんなそうでしょ?」というものであった。せっかく「強み」を教えてもらっているのに、「強み」とは、自分自身にとっては「当たり前のもの」であって、意識することが思ったよりも難しい。だからこそ、時間を作って、「強みの発見」に取り組むことをお勧めしたい。

少し概念的なお話になるが、新しい物事に取り組む時には、我々は「階段作り」が大切と考えている。これは研修や講演会や授業で行っていることであり、組織や人をリードする人達に学んで頂きたいことであるし、ここを失敗している研修や会社組織は非常に多いと思う。例えば、今回の「強みの活用」についても、すぐに活用方法を学びたがる人や学ばせたがるリーダーが多い。しかし、そこは急がば回れだ。まずは「強みの発見」をトレーニングする必要があるし、更に言えば、「強みの発見」をするために以下のような更に細かい階段を提案することもある。

Step1:あえて人ではないもの(動物・昆虫など)の強み探しゲーム
Step2:ペアを作ってお互いに「相手の強み」を探す
Step3:自分の強みを探す

ここで詳細については説明できないが、Step1では、「強みって思ったよりもたくさん見つけることができる!」という思いを持つこと。そして、チームで探すことの楽しさやメリットを体感してもらうことを意図している。そして、Step2では、そこを使いながら「相手のお話」から「強みの発見」にトライする。日常や職場で、「強み」だけに意識を向けてお話を聞くことは少ないし、そのフィードバックを受けることも少ない人が多い。また「強み」にフォーカスして話を聞いてもらえる喜びを体験する人も多い。そんな心の部分も喜びを感じながら、Step3へ進む。階段を確実に上がることで、「強みの発見」をより身近なものにすることができる。

 昨年度「リーダーシップ」について大学でお伝えしたのだが、現在研究が進んでいるのが「強みを活用したリーダーシップ」と言われている。事業を承継し、実際のビジネスを成功させるためにも、会社だけでなく、自分の強みを発見し、活用するための学びを広げていければと思っている。

谷田昭吾

谷田昭吾

谷田昭吾たにだしょうご

ヘルスケアオンライン株式会社 代表取締役

体脂肪計で世界一となり、社員食堂でも話題になった株式会社タニタの創業ファミリー。同社の営業・新規事業・新会社立ち上げ、海外における役員経験を経て独立。父・谷田大輔氏(株式会社タニタ前代表取締役社長)の…

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