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2009年01月30日

本当の優しさって…

わたしは、スタッフに結構厳しい。たぶん、わが社で一番、厳しい。
いつも笑っているし、へらへらしているから、そう見えないらしいが、
会社では、怒鳴ることだってあるし、部下に、
「そんな気持ちで仕事するなら、他の会社を探せ!」
なんて言葉を吐く時もあれば、講師メンバーに
「そんなんじゃ、講師の資格なんてないよ」
と、言う時もある。

良い姿ばかり見せていたって、人は育つはずがない。
研修では、
「褒めることが大切」
なんて言っているけれど、褒めるだけで人が育ってくれたら苦労なんてない。
何よりも、本気でその人の成長を願うなら、
言いたくないことも言わなければならない時もいっぱいある。

先日もわが社の新人にブチ切れた。受付を済ませた後、
講師がセミナーをしている最中にメールのチェックをしに行った。

「あんたの仕事は、受付をすることだけじゃないでしょ。
ここで働くつもりなら、すべての講師が、どんなセミナーをやるのか知ることが、
あんたの仕事でしょ!作業だけするなら、別の会社に行きなさい」

怒るほうも覚悟がいる。でも、本人がわたしの会社に居続けるなら、
作業だけで満足する人間になってもらったら困る。
作業をこなすことも大切だけれど、
それ以上に、「人のココロを知る」ということが大切。
だからこそ、ちゃんと、講師も見ていて欲しいし、お客さんも見ていて欲しい。
いつも、その話をしていて、「分かってくれている」と、
思っていただけに、キレてしまった。(汗)

吉本興業のマネージャー時代、よく上司に、言われた。

「自分が担当しているタレントのことしか知らなかったら、タレントを
成長させられないだろ。そしたら、お前は、一生タレントの付き人で
しかないんや。一流のマネージャーになろうと思ったら、自分の担当の
タレントだけじゃなく、他のタレントも見て、タレントの3倍勉強しろ」

実際、わたしも、先輩たちも、本当によく働いていた。でも、
「仕事をさせられている」
という意識は無かった。それよりも、
「勉強している」「勉強させてもらっている」
という意識だった。
その時の経験と時間が、今のわたしを支えている。

研修とか、講演って、そんなに甘い世界じゃない。
お客さんは、高いお金を払って、わたしたち講師に期待をかけてくれている。
わたしたち講師や、研修会社のスタッフは、それに答えなければならない。
だからこそ、本当の優しさって、褒めたり、楽をさせることだけじゃ
ないと思っている。
 「この世界で生きて行くとはどういうことか」の意味をしっかり伝える
ことだと思っている。

大谷由里子

大谷由里子

大谷由里子おおたにゆりこ

(有)志縁塾 代表取締役

故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…

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