2012年06月29日

講師塾

「大谷由里子の講師塾」というのを
8年前から細々と、こっそりとやってきた。
講演や研修の話の内容、構成を作るのを手伝ったり、
ブランディングのアドバイスをしたり、セミナーの集客方法を伝えたりしてきた。

好きでやってきた。
お金よりも、たくさんの講師メンバーに、
機会を持ってもらったり、役立つことが嬉しかった。

チリも積もれば...で、
いつのまにか参加者が述べ1000人近くになっていた。
「わたしのノウハウをみんなに提供できたらいいな」
と、思ってやってきたことが、
『はじめて講師を頼まれたら読む本』(中経出版)
『講師を頼まれたら読む「台本」づくりの本』(中経出版)
などの本になったり、全国・講師オーデションをさせてもらうきっかけになったりした。

「伝えたいことがあるなら、伝わる人になって欲しい」
そんな気持ちで続けてきた。
でも、最近は、そんな「講師塾」に参加するメンバーから
教えられることがたくさんある。

先日の参加者に、老人ホームで働く女性がいた。
見るからに普通のどこにでもいそうな女性。
まったく、服装や身なりも構っていない。

正直、「なんでこんな人が参加するのかなあ」そう思った。
最初の話は茶飲み話。ところが、掘り下げて行くと彼女はみるみるうちに変化した。

「3人の介護を自宅でして、
それらの経験を活かそうと思って老人ホームで働きはじめた」
「お年寄りはモノじゃない。こちらの都合で介護してあげても嬉しくない」
「誕生日は、その人にとって大切な一日。まとめてその月の人を祝うのではなく、
その人ごとに祝ってあげるだけで、お年寄りの笑顔が増えた」
「歯が悪い人は、ミキサー食だけれど、
これを毎日食べさせられるということがどれだけさみしいか。
せめて、温かいうちに食べられるようにしてあげるとか努力が必要」

 彼女は、今、老人ホームで働きながら、
老人ホームで働く人の研修をしているらしい。
70歳になる彼女の心からのメッセージに
わたしも他の参加者も心を打たれた。

「何も話すことないと思っていたけれど、意外とあるのですね」
そう言ってはつらつと帰って行かれた彼女を見て思った。

「講師塾、やってて良かった」