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2005年07月01日

やりたいことが分からない

わたしのところに来るメールの多くに、「やりたいことがわからない」という内容のものも多い。また、研修に行くと、「今の若い子は、やりたいことがわからないらしい」などという言葉を担当者からよく聞く。

だけど、いつも疑問に思うのは、「じゃあ、この担当者は、やりたいことが明確なんだろうか?」「やりたいことって、そんなに簡単に見つかるものなんだろうか?」ということである。

わたしは、研修でも、自分が主宰するビジネスマン、OLのための私塾であるリーダーズカレッジでも、あんまり、「目標、目標」とうるさく言わないことにしている。それよりも、「世の中広いんだよ。いろんなことに興味を持ってみようよ」ということを大切にしている。

だって、下手に目標を持つから他を排除してしまうことのほうが怖いと感じているから。「やりたいことが見つからない」と嘆くより、「やれることって、何があるだろう」と、思うことのほうがはるかに大切だと感じているから。

実際、わたしだって、本当にやりたいことが見つかったのは、35歳を過ぎてからである。だいたい35歳まで研修なんて仕事があるのも知らなかった。もちろん、その時、その時で、それなりにやりたいことはあった。でも、それが、本当にやりたかったことかどうかなんて分からない。ただ、目の前のことを一生懸命にやっていただけのような気もする。

だけど、目の前のことを一生懸命にやっていた結果、今の自分になれたような気がする。だからこそ、「やりたいことが見つからない」と落ち込むよりも、「目の前のことを一生懸命にしてみるのも大切だよ」と、わたしは、メッセージしたい。

ただ、その中で大切なのは、やはり、「本当に自分がやりたいのは、何だろう?」と、自分に問い続けることである。そうでないと、ただ流されてしまうだけの人生になってしまう恐れがある。

わたしは、30歳くらいから、「本当にわたしは、何がやりたいんだろう?」と、考えるようになったのは、事実である。なぜかというと、20歳代の時は、「20代の女性起業家」というだけでちやほやされた。だけど、30歳を過ぎた頃から急にちやほやされなくなるのを肌で感じたからである。

やっぱり、結果を出せる人間にならなきゃならない。そう感じた。そして、「わたしは、何がやりたいんだろう?」「わたしは、何で結果をだせるんだろう?」と、考えだした。その結果、36歳で「研修」という仕事と巡り合ったし、本当に自分がやりたいことが見え出した。

「自分が本当にやりたいこと」なんて、人にぎゃあぎゃあ言われて見つかるもんじゃない。自分と向かい合って、いろんな世界を見て目の前のことを一生懸命にやっているうちに、ある日、突然、点と点が線になって、面になって、立体になるかのように見つかるもんである。

大谷由里子

大谷由里子

大谷由里子おおたにゆりこ

(有)志縁塾 代表取締役

故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…

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