わたしは、本を書かせていただいているだけでなく、
本を読むのもとっても大好き。電子書籍も悪くないけれど、
やっぱり、本は本で読んでいる。電車の中、飛行機の中が
わたしの読書タイム。
ジャンルはビジネス書から小説まで何でも読む。
知り合いの著者だと決め打ちしてアマゾンで買うこともあるけれど、
本屋さんにもよく行く。本屋さんで出会う一冊がとても楽しかったりする。
また、「どんな本が流行っているのかなあ」
など、旬な情報を得ることもある。
最近、出版社のメンバーと会っていると、
「本当に本が売れないんですよ」
「書きたい人はたくさんいるけれど、本を買って読む人が減っている」
「スマホを見ている分、読書する人が減った」
そんな話ばかりが耳に入る。
実際、わたしも思い当たることがある。確かにスマホを
見ている分、読書量は減っているかもしれない。
小学生の時、わたしは、友達がほとんどいなかった。帰国子女だった
わたしは、何か話をすると、
「ここは、アメリカと違うんだよ」
と、言われたりして、話をするのも嫌になって
殻に閉じこもっていた時期があった。
そんな時の友達は、本だった。
だから、クラスでも
図書係、学年でも図書委員を引き受けた。
図書館に籠って、「ルパン全集」
「ファーブル昆虫記」などを含め、ありとあらゆるものを読んでいた。
「性」や男女間のことをいろいろ学んだのも本からだった。そして、本を
読むという行為は、わたしにいろんな考え方、いろんな世界、いろんな生き方が
あることを教えてくれた。それが今も生きている気がする。テレビという
メディアは、「見たよ」という言葉が多い。ラジオというメディアは、
「聞いたよ」という言葉をいただく。けれど、本というメディアは、読み手の想像力を喚起し、
「考えさせる」ことをしてくれるメディアだと思っている。なぜなら、
「大谷さんのあの本を読んで、○○を考えた」と、フィールドバックをくださる人が
大勢いるから。
わたしもたくさんの本を読む。そして、
「わたしだったらどうだろう」
「この人の考え方、おもしろいなあ」
「なんか違う気がする」
と、いろいろ思いを巡らせる。そして、自分という人間の幅が少しだけ広くなった
気がする。少なくとも、わたしは、本を読むことでいろんな世界を知って、
考えて、成長してきた自分がいる。
押し付ける気持ちはないけれど、できれば、20代、30代のスマホ世代の人たちにも本を読んでもらいたい。
文字を読んで、いろいろ想像する。そんな力を付けて欲しい。
そう思って、我が社のアルバイトの学生には、読書を勧めている。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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