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2021年08月27日

女性の未来に必要な自律的キャリア形成

最近では特に「自律的キャリア形成」という言葉が、キャリア研修や講演とセットになっています。自分で自分のキャリアは責任をもって切り拓く。なぜそのようなことが必要なのでしょうか。

男女とも自立して生きていくために

そんな中、ここ数年、益々増えているのが、女性社員を対象にしたキャリア研修です。多くの企業が、女性のキャリア、ビジョンについて、あまり支援してこなかった、との問題意識をお持ちです。高度経済成長期、女性の役割は大黒柱である男性を支える人でした。男性が安心して「24時間」働けるように、女性が仕事でも家庭でも支援に回る、という役割が一般的でしたが、その結果、問題となっているのが、女性の貧困です。

図1誰にも注目されていない高齢女性の貧困

【出典】阿部彩.「誰にも注目されていない高齢女性の貧困|女性の貧困」.せかいしそう.2020-11-06.https://web.sekaishisosha.jp/posts/4133,(参照 2021-8-25)

こちらの図を見てわかるように、貧困率は、女性も、男性も、高齢期には増加していきますが、特に女性は、高齢期の貧困率が高く、75歳以上は25%を超えます。この背景として、パートナーである旦那さんとの死別・離別です。死別の場合、保険金を多額にかけていればよいのですが、また、離別の際、一生生きていける財産分与が得られたらよいのですが、皆が皆、そうではありません。パートナー不在後、収入を得る手段から遠ざかっていた専業主婦の女性たちが、自律的に生きていくことができなくなるのです。

ちなみに、自立した人とは、「経済的」と「精神的」のふたつがある、と言われています。

この統計は、過去のあるべき正解の男女のキャリア像から今の結果となっていますが、そのように考えると、今の姿が未来に繋がっていくでしょう。となると、今のうちに何をすべきなのでしょうか。今まで女性は専業主婦だったり、男女では、仕事を得られるチャンスが不平等であった、という背景がありましたが、今後、日本が目指す社会は、ダイバーシティです。女性にもたくさんのチャンスが与えられていきます。それによってのメリットは、将来、経済的、精神的に自立していくシニアが男女共に増えていく、ということにつながるのではないでしょうか。

行く末が見えないミドル女性たちの不安

40-50代の女性を対象としたキャリア研修が増えていることを実感しているのですが、その理由は、「当人たちに会社がビジョンをうまく示してあげられていないこと」と「ちゃんと自分ごととして考えてほしい」といった2点です。

男性よりも高齢者が増える女性たち。より、未来をちゃんと考える必要性が伺えます。

キャリア研修や講演では、事前に悩みや不安をアンケートとしてお伺いするようにしているのですが、大手企業でリアルに上がってきた声として、

「男性はOBとのコネクションがあり、仕事を紹介してもらえている様子だが、私たち女性には、そのようなツテがない。定年までこの組織で働く予定だが、そのあと、仕事がみつかるのか不安」

この不安の声は、大手数社から多く挙がってきました。女性たちにツテがない理由は、おそらく2つあります。

女性の先輩がいない不安

ひとつは、OG、いわゆる女性の先輩がいないこと。自分たちの先輩は、特に大手ではある程度の年齢に達すると、退職していくのが暗黙のルールでした。いわゆる寿退職です。そうでなくても、残っていると居心地の悪さを感じて自ら辞めていった人も少なくありません。そう考えると、先輩不在は当然のことです。自社だけでなく、社会全体に女性の先輩は少ないのです。

無意識の偏見からくる不安

そしてもうひとつは、先輩OBの固定観念で、女性は定年退職後も働くとは思っていないことです。不思議なものですが、男性に対しては、定年退職後も働く必要性を感じている世間ですが、女性には違います。もしかすると、男性は、まだ家族を支える必要があるよね、と思われる一方、女性は誰かが支えてくれる、あるいは年取ってまで女性が働くのはかわいそう、などの無意識の偏見があるのかもしれません。そのためか、OBが後輩に仕事を紹介する上で、女性には声がかかりにくいようです。

定年退職後にも働き続けるために

しかし、現実は違います。男女共に、定年退職後も職業に就く必要があります。それは、人生のやりがいと収入を得る必要があるからです。

では、そんな中、40-50代女性たちは、どうしたらいいのでしょうか。これもまた2つです。ひとつは、今のうちに社内外の人脈を増やすことです。そしてもうひとつは、定年退職後も仕事に就けるよう、評判を高めておくことです。あの人なら任せられる、あの人にお願いしたい。こう声を掛けられるように、今から着々と人脈と実績づくりをする必要があります。そのためにも、自分の棚卸しをこれからについて、今一度会社の研修で考える機会を設けていただけたら。

藤井佐和子

藤井佐和子

藤井佐和子ふじいさわこ

キャリアアドバイザー

個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…

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