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2021年01月21日

無意識ゆえにやっかいなアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)の対処法

ダイバーシティ推進の講演や研修では、男女の違いを脳科学、ホルモンの違い、といった生物学的視点と併せて、アンコンシャスバイアスを取り入れるケースが増えています。アンコンシャスバイアスは、「無意識の偏見」。私たちは無意識に人を属性に分ける思考の癖があります。最近の若者は・・・。バブル世代の人は・・・。男性は・・・。女性は・・・。○○人は・・・。会話の中にも度々出てきます。しかしながら、この思考は、組織のダイバーシティ推進にマイナスの影響を与えます。

アンコンシャスバイアスは存在すると認識する

職場でも無意識に男性らしさや女性らしさ、を自分の固定観念で当てはめて、相手を見てしまうことがあるのではないでしょうか。これは、同性でも同じことが言えるようで、例えば男性上司が男性部下に対して、「普通男ならこの仕事は最後までやり遂げろ、弱音を吐くな!」このように思ってしまったり。

個によって性格もライフスタイルも価値観も体力、精神力も違います。なのについ、そのように思ってしまうことってありませんか?

まず、そう思っちゃいけない、ということではないのです。講演や研修では、まずは自分のアンコンシャスバイアスに気づくこと。そのためには、自分のモノの見方考え方に偏りがないか、本当にそうなのか、などを疑ってみることから、とお伝えしています。そう思っている自分がいるが、本当にそうだろうか、いや、違うかもしれない。という風に。意識する、気づくことから、です。

そして意識するだけでなく、相手がどう思っている人なのか、どういう人なのかを聞いてみることです。管理職の方の多くは、女性部下や、自分の子供、または孫くらいの若手部下にとても気を使って、配慮してくれています。一方で、これを言ったらハラスメントになるんじゃないか、と遠慮してコミュニケーションを取らなくなっている人もいます。

本人とフラットに会話してみる

アンコンシャスバイアスを取り除くためには、フラットに聞くことです。例えば、子育て中の女性部下に新しい仕事を任せたいが、今は負担が重そうなので、もっと軽い仕事やルーティンワークの方がいいんじゃないか。こんな風に思ったときは、本当にそうなのだろうか、ということを確認するために、本人に聞いてみる、ということです。

私のところにご相談に来られる女性の中には、「育休復帰後、明らかにチャンスから遠のいた。大事な仕事を任せてもらえなくなった」と自分のキャリアがライフイベントによってダウンした、と悩み、落ち込んでご相談に来られる方は少なくありません。背景をお伺いしていくと、上司が勝手な判断をしていることが多い気がします。もちろん、そこには悪気はないケースが多いのです。

そこで管理職として大切なことは、部下の成長を期待し、打診してみることです。目の前の部下には、これから続いていくキャリアがあります。今、何をするか、の経験と実績が将来に繋がっていきます。キャリアが途切れないように、将来の成長を願って仕事を打診してみましょう。その際、期待していること、なぜその仕事をやった方が、あなたにとっていいのか、など、丁寧に説明することです。そして、本人がやってみたいと思うかどうかや、やる上での不安点などを聞いていきます。案外、不安に思っていることは、周囲のサポートなどで解決できることが多いものです。

このように、部下に仕事をアサインする際、またはしない際、アンコンシャスバイアスが働いていないか、一度疑ってみましょう。

男性基準になりがちな評価基準に注意

一方で、男女の差として生物学的なこともあります。もちろん個の差はあるものの、ホルモン量の違いによる、身体や脳の構造です。それによって、女性の方が重いものを持ちづらい、体力の差、などが生じます。そして、生理や更年期障害、出産など、女性ならでは、の特徴があります。

配慮すべきは、生物学的な部分だけで、それ以外は個によって異なる、と思ってしまうとよいと思います。

配慮は大事なのですが、生物学的な違いがあるから、ということで誤った評価をしてしまうことがあり、ここは気を付けたいところです。生物学的な違いから、女性には、できないことがあるからマイナスだ、という捉え方をしがちですが、この考え方は、男性を基準に評価を考えている証拠です。逆に生物学的に、女性の方が得意だったり、できることもあるのではないでしょうか。

イマドキの管理職は、フラットに人や状況を見ることができる人かどうか、のスキルが必要になってくるようです。

藤井佐和子

藤井佐和子

藤井佐和子ふじいさわこ

キャリアアドバイザー

個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…

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