2012年07月20日

企業の女性活躍に関する課題 ~女性社員の将来像を考える~

「大手企業は、女性が男性と同じように活躍する姿がイメージできていないのではないでしょうか?」。

私をサポートしてくれている女性が、ふとそんな言葉を漏らしました。私はキャリアカウンセラーとして独立する前、大手日本企業とベンチャーの両方を経験しており、それぞれで女性活躍の様子が異なることを既に理解しながら、それぞれの課題に合わせたサポートしてきました。振り返ってみると、大手企業のトップや管理職は確かに、女性が"自然に""男性と差がなく"活躍している様子がイメージできない傾向にあると気付きました。今、世界的に女性活用が進む中、日本が思うように進まないのは、このあたりにも原因が潜んでいそうです。今回のコラムでは、企業の女性活躍に関する課題・女性社員の将来像を考える必要性について触れてみます。

具体的に将来期待したい姿を明確にして、男性社員を採用する企業はたくさんあると思います。特に新卒採用、いわゆる生え抜きを育て上げる社風のある企業はその傾向があり、会社を背負って立つ幹部候補、管理職としての将来を期待しながら採用・人材育成を行っているようです。以前、ある企業の採用に携わった際、人事の方が「彼は幹部候補として育てたいと考えているんです」と、ある男子学生を指しておっしゃっていたのを記憶しています。その一方で、女性に対しては、このような具体的な将来のイメージを持って採用している企業は少ないのではないでしょうか。

現在、大手企業の多くが、女性を採用する際に、総合職と一般職の枠を設け、総合職を増やす動きをとっています。そして、そんな女性を支援する制度を整える動きも高まっています。「女性の支援」と言えば、判を押したように育児制度が中心ですが、本気で女性社員に活躍してもらうには、上司や管理職が、女性たちの未来像を明確に描いてみる必要があります。具体的にいうと、今の日本企業は、以下のふたつが明確にイメージできていないのではないでしょうか。

<一般職の女性に対して>
彼女たちに、将来(10年後、20年後、その先)何を期待したいのか

<総合職の女性に対して>
今後女性管理職が増えた時の、会社側の対応や組織イメージ

一般職の女性たちは、今や腰掛けではなく、長年にわたって会社をサポートする存在、と考えて採用する方が現実的です。定年まで彼女たちが働く上で、会社や上司は、何を期待していきたいのか、是非一度考えてみてください。

総合職の女性たちについては、彼女たちの将来を考える上で考慮すべきポイントはいくつかありますが、そのなかのひとつは「転勤」だと思います。

せっかく総合職で入社してバリバリ働く女性が退職を考える理由のトップは、パートナーの転勤、続いて、自分の転勤なんです。事実、私のところへのキャリア相談でも、このふたつは非常に多い悩みであり、且つ、解決しづらいものです。女性たちの多くは、「今の会社や仕事が好きだ」とおっしゃいます。しかし残念なことに、環境が続けることを許してくれない。将来ずっと働き続けることを視野にいれると、どこかで転勤がネックになり、20代のうちに、転勤が少ないベンチャー企業に転職したり、自分のペースで働くために起業を、と考える方もいらっしゃいます。優秀な人材が、そのような理由で外に出て行ってしまうのはもったいないと、誰もが思うことでしょう。

また、女性は「安心感」があってこそ、100%の力を発揮できる生き物であり、不安があるとその力は半減したり、安定的成果が出しづらくなってしまう傾向があります。残念ながら、現代の働く女性たちは、一般職、総合職を問わず「今の会社で働き続けると、将来どうなるんだろうか」といった漠然とした不安を抱える方が多く、そのために力を発揮できていないという実態があります。

女性に100%以上の力を発揮してもらうためには、まず会社は、女性たちに将来期待したい役割、姿を明確にし、その上でのバックアップを検討することが重要です。どうすれば期待したい役割を担ってくれるのかと、女性自身に聞いてみてもよいと思います。そう、女性活用を考える上で、トップや管理職、上司が、女性社員の将来像を明確にイメージすることは最初のスタート地点なのです。

次回は、女子学生が何を基準に企業を選ぶのか、大手一般職を選ぶ女性の理由、をお伝えしてみたいと思います。