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2020年02月25日

男女で異なる思考プロセスがすれ違いを引き起こす

 企業研修や講演では、ダイバーシティ推進のテーマでお話させていただく機会が多いのですが、先日、ある企業で女性部下と男性上司の合同セッションを実施させていただきました。

 その合同セッションではお互いの違いをわかりやすいように捉えていただくために、まず、男女の違いって何だろう、というところから話し合っていただき、その後違いについて、お話するようにしています。

 最大の違いは、ずばり生物学的な部分です。骨格、体格、出産、生理・・・。ホルモンとそれが脳に働きかける特徴によって、生物学的な違いは、出てきます。そして、もう一つの違いは、文化的な違い。いわゆるアンコンシャスバイアスです。

 つまり、生物学的な違い以外は、性格や価値観、ライフイベントの考え方、ビジョンなど、個別の違いです。個別の違いは、男だからだから女ではなく、人としての違いといえます。なので、男の人、女の人の生物学的な違いでひとくくりにすることなく、その人がどんな人なのかをお互いに知っておく必要があります。

 先日の合同セッションで、大きく女性陣がうなずいていたのが、「男女では考え方のプロセスが異なる」という話です。

 男性は、物事を考えるとき、まずは全体像をとらえるところからはじめます。それは空間認知能力が高いことに起因していると考えられます。目的は?ゴールは?落としどころは(落ちは?)?から議論がはじまり、そこに向けて一直線に物事を考えていきます。まず仮説を立てるのは、男性思考なのかもしれません。

 一方の女性は、というと、考えながらゴールに行きつくという思考を持っています。

 繰り返しになりますが、男性が全員同じ思考、女性が全員同じ思考ということではありませんが、わかりやすく例えるなら、でお話させていただきます。

 例えば、女性だけの話し合いでは、みんなでフラットに頭を突き合わせ、どうする?どうする?たとえばこんなことがあったのよ。でもこういう場合は?じゃあさあ・・・。思考をあちこちに向かわせながらみんなでブレーンストーミング。そして、ある時、ひらめきます!こうしようよ!というアイデアが。

 そのため、女性の本来の思考は、結論からではなく、経緯からのことが多々あります。

 ビジネス的には男性的な考え方がビジネス思考と言われますが、これに女性は頑張ってあわせている節も。ちなみに、どちらの思考プロセスが正しいということではなく、時と場合によって使い分けられたら最高です。

 話を戻しますと、このようにプロセスの違うもの同士が会話すれば、ストレスは生じるものです。

 こんな講義をさせていただいたら、女性の受講生から、「そうそう!!一生懸命に考えているのに、で?とか、結局?とか言われちゃうんです。」こんな声が上がってきました。一方で、男性上司の方からは、「情報をあげてと女性部下に言うと、結論に行きつくまでの話が長い。単に結果だけ教えてくれたらいいのに。」こんなことをおっしゃっていました。

 同時に研修をしたことで、はじめてこのような心の声をお互い出し合うことができました。自分たちのことを相手に理解してもらえたのと、自分とは異なる相手の考えていることがわかったことで、皆さんすっきりされた様子でした。

 研修終了後に、講師の控室に数名の女性が訪ねてきました。「まさに私たちが言いたかったことが全部入った講義で、嬉しかったです!!ありがとうございました!」自分の気持ちをすぐに相手に伝えたい。こう感じるのも、共感脳の強い女性ならでは、かもしれませんね。

 結果として、この講義とディスカッション終了間際のまとめの段階では、どのグループも「やっぱりコミュニケーションが大事、話さないとわからない」という結論に至りました。

 皆様も、違いに意識してコミュニーケーションをとってはいかがでしょうか。

藤井佐和子

藤井佐和子

藤井佐和子ふじいさわこ

キャリアアドバイザー

個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…

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