2019年06月20日

情報共有で得られる社員の心理的安全

 「もっと情報を下におろしてほしい」女性や若手社員からこのように言われた管理職の方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。かつて日本は、トップが先頭に立ち、風を切っていくトップダウン型でした。主に40代半ば、50代の管理職は、「上から下りてきた指示」に対して、自分の役割を意識して行動することに慣れていましたが、現在の20代の若手や女性は、なぜそのような決断を下したかの情報を必要とする傾向があります。それはなぜでしょうか。また、情報をおろすことは本当に必要なことでしょうか。

 大前提として、情報をおろすべき理由として、今の世の中、「自ら主体的に動く」ことを期待されている状況にあるからです。主体的に動くには、自ら課題を見つけ、戦略を立てる必要性があります。しかし、情報が下りてこないと、主体的には動けないのです。だからこそ情報がしっかりとおりてくることが必要なのです。

 そして次の理由のように、昔より状況を見ているだけではわからないことが増えています。それはIT化です。一昔前のコミュニケーション手段は、直接相手の席に行って喋るか、電話が中心。よほど内密にしなくてはならないことでなければ、部下には筒抜けです。それが現在では、メール中心のコミュニケーションになっていますから、情報は、耳を澄ましていても入ってきません。よく女性からのキャリア相談で上がってくる話題が、「ccに私の名前を入れてもらえないので、情報を知ることができない」という声です。すると、どうでしょう。自分以外には情報、決定事項が入ってきているのに、自分だけ知らない、という不信感・疎外感がうまれます。

 更にもうひとつ付け加えると、若手の人たちは、組織が公平であるかどうかがモチベーションに深く、関わってきます。

 Handbook of Organizational Justice によると、組織公平性4つの尺度
①分配の公平性
報酬・人事・業務内容などの分配が公平であるか
②手続きの公平性
報酬・人事・業務内容などの決め方の手続きが公平であるか
③情報の公平性
業務に関する情報を公平に伝達できるか
④対人関係の公平性
従業員がお互いの人格を尊重し、公平な対人関係が結べているか

があります。

この4つの尺度があることで職場のモチベーションを高まるのだそうです。

 情報なんて公平に伝達できるものとできないものがある。こんな意見も聞こえてきそうですが、可能な限り情報は公平に伝達していただくことが大事です。そうすることで、心理的安全を感じる人が多いということも事実です。

 そこで、管理職のみなさんには、情報共有を部下にできているかどうかを考えてみていただきたいのですが、例えば、上司が出席する他部署とのミーティングで決まったこと、共有された情報は、部署に戻ってきて部員に共有できているでしょうか。もし、ミーティングから戻って何も言わずに席に戻るだけだったら、部下は何を話し合ってきたんだろうか、また何も共有してくれないと感じているはずです。そして、ある時、「こう決まったから」といきなり決まったことだけを突然に部内に下ろしたら・・・。こういう積み重ねが、不信感につながっていきます。

 ご自身の行動、ちょっと意識してみてはいかがでしょう。