2018年02月20日

女性管理職による縦横無尽なコミュニケーション

前回は、新任女性管理職が、質を落とさず、時間も上手にやりくりしながら課長職の担っていくコツの1つめ、『ムダの排除』をご紹介いたしました。

昨今の働き方改革では、従来の通常勤務時間内で頑張る働き方から、効率よく生産性を上げる働き方にシフトすべく、日本全体が試行錯誤の日々ですが、それを難なく実現しているのが、まさに女性管理職の皆さんです。企業研修で新任女性管理職のサポートをしている中で出る彼女たちの「もっとこうした方が早いのに」「このプロセスは本当に必要なの?無駄な工程なら、省いてはどうか」というアイデアは権限を持ち、現場で実行していくことで目に見えて成果を上げています。

今回は、もうひとつのコツ、『縦横無尽コミュニケーション』です。

働く女性の頭を悩ませるのが、「縦社会」です。情報がなかなか下まで降りてこない。上に相談するにも、ルールを守って順番にエスカレーションしないと、物事が進まない。また情報決定のスピードも遅くゆっくりやるため、物事が進まない。こんな相談を度々耳にします。

男性主体の組織は、ピラミッドルールが大事です。その理由としては諸説ありますが、空間認知能力が高く、仕組みを理解することを得意とする男性集団は、チームで結果を出すためには、物事をシステム化し、秩序を守ることが大事なルールとなるそうです。一方で女性は、それを重要視せず、早く目の前のことを片付けてしまいたい。また、仕組みを理解することで安心するよりも、周囲の事情や気持ちを共感したり、共有することで結果を出すことが得意であるという違いがあるようです。

男性社会のピラミッドルールは、女性には適さないのかもしれませんが、私自身はピラミッドルールの方がわかりやすいし、実は楽だと思っています。このルールを守っていれば、男性チームと仕事をする際、一員として認めてもらえ安心してもらえると感じることもあるからです。

しかし、冒頭で触れた働き方改革、組織で働くメンバー構成が男性だけでなく、女性が4-5割になってきていることを考えると、ルール変更も必要なのかもしれません。このルールが、『縦横無尽コミュニケーション』です。命令系統や情報共有が縦でもなく横でもなく、縦横無尽に動くコミュニケーションです。これは、直属の上司とのやりとりも発生しますが、時に枠を飛び越え、上を通さずに他部署と対話したり、また、上司からどんどん部下の方に近づいて情報共有したり、その時々の状況によって、誰とコミュニケーションすべきなのか、パターンが変わっていくのです。

また、男性管理職との違いで大きいのが、「相手の話を聴く」女性管理職が多いことです。(もちろんすべての人が、ではありませんが)管理職向け研修で、部下の話を1時間以上続けて聞いているかという問いに対し、男性管理職のほとんどは、していないとの回答だったのに対し、女性管理職は、しっかりと1時間、聞いている人がほとんどでした。これはどの会社でも同じ結果でした。それも、女性管理職が話すのではなく、部下が話すことをひたすら聞いているのです。これによって、部下の状況や想いなど、情報が多い分、理解できるのです。また、女性の中には、トップに対しても物おじせずにフラットに会話するのも得意な方もいらっしゃいます。

このように日ごろのコミュニケーションを通して、情報をしっかり集め、心を通わせるという行動ができており、また情報を自ら共有することができている方も少なくありませんでした。例えば、会議で得た情報をそのままにせず、部下に共有できることはすぐにする。しかも結論だけでなく、経緯、背景までを伝えるということができているのです。この理由をある女性管理職に聞いたら、「自分が部下だった時、上の人が結論しか共有してくれなかったり、情報を聞かないと教えてくれなかったりしたのが、ものすごく嫌で状況が見えていないことが不安だったから」と教えてくれました。

情報共有できていることで、みんなが同じ景色をリアルタイムで見ているから、何か起こったときに一から説明しなくても早く済む。これも時間短縮につながっているようです。

これからますますテレワークを含め、働き方が多様化していく中、端折ってはいけないのが、コミュニケーションかもしれません。コミュニケーションの苦手な管理職のチームは、崩壊することも考えられます。女性の管理者がいることで、縦横無尽に人と情報をつないでくれることが期待できます。