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2010年09月15日

子どもに名前の由来を語ろう!

 ラジオの子育てに関する特別番組でご一緒した俳優の杉浦太陽さん。妻でタレントの辻希美さんとの間に生まれた女の子の名前は、「希空」(=のあ)ちゃんだ。聞けば、「みんなに希望を与えられる子に育ってほしい」という思いを込めたのだそうだ。

 このように、子どもの名前には、ほとんどと言っていいほど、(こんなふうに育ってほしい)という両親の思いが込められている。
「人より一つでも秀でるものがあれば、それを喜べる子どもになってほしい」

 これは、アメリカ・メジャーリーグで活躍する松井秀喜選手の「秀喜」という名前の由来である。ゴルフの石川遼選手の場合は、「親が知らない、はるかな世界に行ってもらいたい」といった親の願いが込めて、「遼」という字を当てたそうだ。

 私たちも、子どもの名前に込めたママやパパとしての願いを、今一度、思い起こしてみよう。そのうえで、子どもに名前の由来を聞かせてみよう。先に紹介した杉浦さんも、
「娘はまだ幼くて、よくわからないと思うんですけど、結構話しかけていますよ。『希空』ちゃんは、みんなに希望を与えられる子になるんだよねって」
 と語ってくれたが、皆さんも、
「どんなところに身を置いても一番輝いてほしいと思って『一輝』にしたんだよ」
「あなたの良さを将来、美しく咲かせてほしいから『美咲』にしたのよ」

 こんなふうに、子どもと名前について話してみてはどうだろう。そうすれば子どもも、「勉強しなさい」「こんな人間になりなさい」などと頭ごなしに言われるよりも、(そうか、じゃあ名前にふさわしい人間にならなくちゃ)と感じてくれる確率は高い気がするのだ。

 子どもの名前ほど、親の期待や願いが凝縮されたものはない。また、ママやパパの子育てに関する方針がはっきりわかるものはない。逆に子どもからすれば、名前の由来を知ることは、親の思いを知ると同時に、その期待に応えようという動機にもなるので、たとえ、年に一~二回であっても、名前について親子で語る機会を持ってみてはいかがだろうか。

清水克彦

清水克彦

清水克彦しみずかつひこ

びわこ成蹊スポーツ大学特任教授

文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…

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