生成AI関連の市場調査はいろいろ行われていて、調査時期や対象、切り口によってわりとバラバラな結果が出がちなのですが、いろいろ見ていると大きな傾向のようなものはあります。また、その調査独自の切り口というのもあって、それを見るのも面白いです。
こういった調査で多いのは「日本企業は世界に比べてAI活用が遅れている」とか「先進的な企業と一般的な企業では活用に差がある」といった結論で、それはそれで当たっているのでしょうが、国毎とか企業毎ではないという見方を提示した調査がありました。ボストンコンサルティンググループ(BCG)が6月に発表した「職場におけるAI活用に関する意識調査」に基づくレポートでは、「経営層、管理職の4分の3以上が、生成AIを週に数回以上使用していると回答した一方で、一般従業員ではこの割合は51%と伸び悩んでいる。」としており、企業内の役職によって活用度合いが違う、という結果を示しています。
これは肌感覚にも合う感じがします。生成AIの導入プロジェクトでは、経営層が危機感を抱いて旗を振っても、従業員の危機感はそれほどでもなく、これまでの業務プロセスを変えなければならない生成AI導入には消極的、という話もよく聞きます。それを踏まえて、このレポートでは「一般従業員のAI活用をどう促進するか」が課題だと指摘しています。
そのための方策としてBCGが挙げているのが、
- 経営層からの支援
- 適切なツールの提供
- 十分なトレーニングの実施
です。「そんなこと、とっくにやっているよ」という企業も多いかと思いますが、最後のトレーニングについて、BCGはこんなことを書いています。
「企業がトレーニングを実施するとAIの日常的な利用率は高まり、AIに対する信頼感も高まる。特に、対面かつコーチから助言を受けられる形式で5時間以上トレーニングを受けた場合に、日常的な利用率が著しく高い。しかし、十分なトレーニングを受けたと回答した人は全体の約3分の1にとどまっている。」
この中では、「対面かつコーチから助言を受けられる形式」というのが重要だと思います。一方的に活用方法を伝授するようなセミナーや講演の形式ではなく、試行錯誤を一緒に行いながら活用の勘所を自ら掴んでいけるようなトレーニングが重要、ということなのではないでしょうか。
大越章司おおこししょうじ
株式会社アプライド・マーケティング 代表取締役
外資系/国産、ハードウェア/ソフトウェアと、幅広い業種/技術分野で営業/マーケティングを経験。現在は独立してIT企業のマーケティングをお手伝いしています。 様々な業種/技術を経験しているため、IT技…
ビジネス|人気記事 TOP5
「選択した孤独」と「意図せぬ孤独」
川口雅裕のコラム 「人が育つ会社、育たない会社」
生成AIの導入を成功させる鍵はユーザー教育
大越章司のコラム 「デジタル変革(DX)への対応とは」
優れた「問い」とダメな「問い」
川口雅裕のコラム 「人が育つ会社、育たない会社」
「中堅社員の小粒化」は、ほんとうか?
川口雅裕のコラム 「人が育つ会社、育たない会社」
人事制度は、「仕事」に値段をつける仕組みへ改革せよ
川口雅裕のコラム 「人が育つ会社、育たない会社」
講演・セミナーの
ご相談は無料です。
業界21年、実績3万件の中で蓄積してきた
講演会のノウハウを丁寧にご案内いたします。
趣旨・目的、聴講対象者、希望講師や
講師のイメージなど、
お決まりの範囲で構いませんので、
お気軽にご連絡ください。