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コラム 教育

2012年09月14日

「求めよ、さらば与えられん」の精神が大切 

 子どもの勉強に対するモチベーションを高めるには、パパやママが「求めよ、さらば与えられん」の姿勢でいることも重要なファクターになる。

 それには二つの意味がある。まず一つは、子どもに対して親に何かをしてもらいたいときは、はっきり声に出して話すという習慣づけである。

 現代社会は、年長者だからとか過去に実績があるから、というだけでは評価されず、意気込みを示し、今何ができるかを外に向かってアピールしなければチャンスが与えられない時代に変化している。

 そういう時代の中で、子どもが生き抜いていくには、「黙っていては伝わらない」「得たいチャンスは声に出してアピールする」ということを、小学生の頃から日々の生活の中で植えつけておいていただきたいのだ。

 勉強好きにさせるという意味では、「パパ、この本がほしい」「お母さん、ここに連れて行って」などと思えば声に出させ、それを受ける側のパパは、子どもが声に出して求めてきたものは、「これはためにならない」と思えるもの以外は、極力、そのリクエストに応えてほしいのである。

 小学生の頃は、どの家庭でも、親が「こうしなさい」と細かく指示をしてしまうものだが、子どもの自主性を育てる意味で、また、「パパやママは自分が求めたものにはちゃんと応えてくれる」という思いにさせるためにも、「求めよ、さらば与えられん」の精神は大事なことだと思う。

 もう一つの意味は、ご褒美である。
「成績がアップしたらお小遣いを増やすとか、満点を取ったらほしいものを買ってあげるとか、そういうモチベーションの高め方はよくない」

 これは多くの学校関係者が語ることであり、また、私自身もいたずらに射幸心を煽るべきではないと思う。とはいえ、「努力をし、いい結果が得られれば、いいことがある」という当たり前のことを、生活の中で教え込んでおくことは、けっして間違ったことではないと思っている。

 本来であれば、自分の将来のために知識を得るというのが学びの理想の姿だが、すべての小学生にそれを理解させるのは難しい。目標を決め、達成できたら相応のご褒美が得られるという構図のほうが、子どもには親の意図が理解しやすいはずだ。

 理由はどうあれ、喜々として勉強してくれれば、小学生のうちはいいのではないか・・・私はそう考える。

清水克彦

清水克彦

清水克彦しみずかつひこ

びわこ成蹊スポーツ大学特任教授

文化放送入社後、政治・外信記者を経て米国留学。帰国後、ニュースキャスター、南海放送コメンテーター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、解説委員などを務める。大妻女子大学や東京経営短期大学で非常勤講師を…

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